ビットコイン企業として史上最大の資金調達
米国の起業家兼投資家のアンソニー・ポンプリアーノ氏は23日、新企業「ProCap Financial(プロキャップ・ファイナンシャル)」を設立することを発表し、7億5,000万ドル(約1,092億円)を超える初期資金調達を完了したことが明らかになった。同氏によるとこの調達額は、ビットコインを財務資産に据える企業としては史上最大規模だという。
プロキャップ・ファイナンシャルは、ポンプリアーノ氏の非公開企業「ProCap BTC, LLC(プロキャップBTC)」とSPAC(特別買収目的会社)である「Columbus Circle Capital Corp I(コロンバス・サークル・キャピタル・コーポレーションI)」との合併により誕生。両社による事業統合が完了した後にティッカーシンボル「CCCM」でNasdaq(ナスダック)へ上場し、新企業としての運営がスタートする予定だ。なお、同社のバランスシートには最大10億ドル(約1,456億円)相当のビットコインが計上される予定となっている。
ポンプリアーノ氏によると、プロキャップ・ファイナンシャルはバランスシートにおけるビットコインの積極的な取得に加え、ビットコインを基軸とした収益性の高い製品やサービスの開発にも注力する構えだ。投資商品はもちろんのこと、決済ソリューションなども視野に入れた包括的なビットコイン関連サービスの展開が進む可能性もありそうだ。
ポンプリアーノ氏は今回の発表にあたり、「ウォール街の大手機関投資家や世界的な暗号資産(仮想通貨)投資家から多くの資金を調達できた」と公式X上でコメント。主要な資金提供者としては、「Magnetar Capital(マグネターキャピタル)」や「Woodline Partner LP(ウッドライン・パートナーズ)」などの大手機関投資家をはじめ、マーク・ユスコ氏やエリック・セムラー氏といった著名投資家が名を連ねている。
このニュースには業界関係者も反応を示している。仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」の元CEOであるチャンポン・ジャオ(CZ)氏は24日に公式Xを更新。ポンプリアーノ氏に祝辞を送るとともに、「7億5,000万ドルが仮想通貨市場に投入された」として、ビットコイン市場への好影響に期待を示した。
今回の発表は、ビットコインが企業の財務戦略の根幹を担う資産としての認識や基盤をより強固なものにする動きとなっただろう。既存の金融機関や仮想通貨業界から注目を集めるプロキャップ・ファイナンシャルが今後どんな製品・サービスを市場にもたらしてくれるのか、これからの動向に注目していきたい。
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