ブロックチェーン分析企業エリプティックは22日、ロシアのルーブル連動型ステーブルコイン「A7A5
a7a5」の累積取引額が1,000億ドル(約15兆円)を突破したとのレポートを公開した。2025年1月のローンチから1年足らずで急速に規模を拡大している。
1年足らずで急拡大も、制裁強化で新規発行停止・流動性大幅低下
A7A5は、ロシア企業A7 LLCによって開発された。同社の主要株主には、詐欺で有罪判決を受け選挙介入の関与で制裁対象となっているイラン・ショル氏と、防衛部門にサービスを提供したとして制裁を受けたロシア国営銀行プロムスビャズバンク(PSB)が含まれる。発行自体はキルギスの企業Old Vector LLCが行っており、PSBにあるルーブル預金によって1対1の裏付けがあると主張されている。
暗号資産(仮想通貨)による制裁回避ではテザー(USDT
USDT)が一般的だが、西側当局による資産凍結のリスクがつきまとう。A7A5はこのリスクを軽減する「セーフハーバー(避難港)」として機能しており、ユーザーは口座凍結のリスクに長時間さらされることなく、ルーブルと世界的な流動性を持つUSDTとを交換するブリッジ資産としてこれを利用している。
イーサリアムおよびトロン上のデータによると、これまでに約4万1,300のアカウントから25万件近くの取引が行われた。取引量は173億ドル(約2.7兆円)に達しており、主にキルギスの取引所グリネックスなどで取引されている。特に、ルーブルやUSDTとの取引ペアがその大半を占めている状況だ。
一方で、欧米による制裁強化の影響で、A7A5の成長には急ブレーキがかかっている。現在の流通量は425億枚超、ドル換算価値にして5億4,700万ドル(約865億円)規模となっているが、2025年7月以降、大規模な新規発行は行われていない。1日あたりの取引量もピーク時の約15億ドル(約2,374億円)から約5億ドル(約791億円)へと減少した。
制裁の影響は流動性にも及び、暗号資産エコシステムからの孤立が進みつつある。発行者によるDEX(分散型取引所)へのUSDT供給量は激減し、最大手DEXのユニスワップもA7A5をブロックリストに追加した。さらに、A7A5に関連した資金を大手取引所へ送金したユーザーの口座が凍結される事例も報告されており、暗号資産エコシステムからの排除圧力が高まっている。
今回の事例は、非ドル建てステーブルコインでも短期間で大規模な取引量を形成できることを示した。しかし、裏付け資産の保管先や発行主体が制裁対象となる場合、信認と流通の維持が難しくなる点も明確になった。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.3円)
関連銘柄:
a7a5
USDT
a7a5
TRX




