プライバシー特化型DeFiプラットフォーム0xbowは18日、コンプライアンス対応のプライバシー技術「Privacy Pools(プライバシープール)」の拡大に向けて、350万ドル(約5.5億円)のシード資金調達を完了したと発表した。スターブルーム・キャピタルが主導し、コインベース・ベンチャーズ、ブーストVC、プルトス・キャピタルなどが参加した。
イーサリアム財団が初統合
資金調達の発表は、イーサリアム財団がプライバシープールを同財団のKohaku(コハク)ウォレットに統合した後に行われた。イーサリアム財団がプライバシー保護技術をコアインフラに組み込んだのは今回が初めてだ。
プライバシープールは、2025年3月のイーサリアムメインネット立ち上げ以降、1,500人以上のユーザーから600万ドルの取引を処理した。現在、ETH、ラップドビットコイン(wBTC)、USDC、USDT、DAIなどをサポートしている。
ゼロ知識証明とコンプライアンスを両立
同プロトコルは、ゼロ知識証明による暗号学的プライバシー保護と、アソシエーション・セット・プロバイダー(ASP)による規制準拠を両立する。ASPシステムは、ユーザーの預金段階で審査を実施し、不審な取引パターンを継続的に監視する。ユーザーは取引の詳細を明かすことなく、自身の資金が違法行為に関連していないことを暗号学的に証明できる。
0xbowのCEOであるナサニエル・フリード氏は「我々は業界がまだ解決していない課題、つまり違法行為の温床を作らずに金融プライバシーを提供する方法を解決している。プライバシーとコンプライアンスのどちらかを選ぶ必要はない」と述べた。
調達資金は、プライバシープールの機能追加、イーサリアム以外のブロックチェーンネットワークへの拡大、エンジニア採用に充てられる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.96円)




