トークンワラント付き株式構成が話題に
ソラナチェーン上に展開するソーシャルグラフプロトコル「Tapestry(タペストリー)」は17日、シリーズAの資金調達ラウンドで575万ドル(約8.9億円)の調達を完了したと発表した。
タペストリーは、ブロックチェーンアプリケーションにソーシャル機能の統合を可能にする分散型プロトコルだ。アプリ開発者はユーザーのフォローやコメント、友達申請といったソーシャル機能を簡単に構築できる基盤を利用できる。これにより、従来のソーシャル機能統合に必要だった作業の大部分を省略できる。その結果、アプリ開発の時間短縮やコスト削減が可能になるという点で、多くの開発者や投資家から注目を集めている。
今回の資金調達ラウンドは、「Union Square Ventures(ユニオンスクエアベンチャーズ)」と「Fabric Ventures(ファブリックベンチャーズ)」が共同で主導。ラウンドの参加者として「Stellation Capital(ステレーションキャピタル)」や「Slow Ventures(スローベンチャーズ)」などが名を連ねた。
タペストリーは、今回の資金調達が「AIによる創造力とブロックチェーン技術を融合させ、誰でも手軽にソーシャルアプリを構築できる基盤を提供する」というビジョンの実現を後押しするものであるとコメントした。
同社のCEOであるデイビッド・ガボー氏は、仮想通貨・ブロックチェーン専門メディア「The Block(ザ・ブロック)」に対して、今回の資金調達がトークンワラント付きの価格設定株式で構成されていると明らかにした。この仕組みにより、将来的にタペストリーがトークンを発行した場合、株式を保有する投資家はそのトークンを受け取る権利を持つ。投資家は株式だけでなく、トークンの将来的な値上がりにも期待できるというわけだ。
また同氏は今回のラウンドで、タペストリーの株式が3,500万ドル、トークンネットワークは7,000万ドルと評価された点を付け加えた。この評価額は、タペストリーの将来性やトークンの成長性に対して市場が大きな期待を寄せていることを示唆している。
タペストリーは、2022年1月に400万ドルのシード資金を調達し、同年8月には200万ドルを追加調達している。今回のシリーズAラウンドでの資金調達により、累計調達額は1,250万ドルに達した。タペストリーがこの資金力を武器に、今後新たなデジタルソーシャル体験を提供していく可能性に注目していきたい。
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