株式会社GINKAN(東京都千代田区)が運営する決済データを活用した分散型物理インフラネットワーク(DePIN)プロジェクト「SyFu」は8日、香港拠点のオープンバンキングプラットフォームFinverse Technologies Limitedと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。
日常決済データをデジタル資産化
本提携により、香港・シンガポール・フィリピン・ベトナム・マレーシアの5カ国において、銀行およびカード決済データをSyFuアプリへ直接統合することが可能となる。ユーザーは新たにカードを発行することなく、既存のカードによる日常の支払いデータをそのままデジタル資産へ変換できる。
Finverseは、アジア太平洋地域を代表するオープンバンキングAPIプロバイダーで、前述の5カ国において約40の銀行・金融機関と接続している。電子的な銀行引き落としやQRコード決済といった自動決済方式にも対応し、暗号化通信と堅牢なセキュリティ基盤により、スムーズかつ低コストでのデータ連携を実現している。
SyFuはすでに欧州でSalt Edgeと連携しており、50カ国・5,000以上の金融機関をカバーしている。今回のFinverseとの提携により、アジア6カ国の金融機関を新たにカバーし、欧州×アジアの二軸で世界規模の決済データネットワークを確立した。
ユーザーは日常利用しているカードをそのまま使用し、チェックインと決済データの紐付け(BIND)を通じてトークン(EVT)やNFTを獲得する。この仕組みにより「支払いがそのままGameFiになる」体験を提供する。
SyFuファウンダーの神谷知愛氏は「ユーザーはカードを切り替える必要もなく、日常の支払いがそのまま経済貢献として可視化され、デジタル資産へと変わる体験を得られるようになる。欧州とアジアの両地域にまたがるグローバルネットワークが整ったことで、Web3とリアル経済を融合させた新しい価値循環を拡大していく」とコメントした。
SyFuは今後、決済データをブロックチェーン上で可視化することで「消費がそのまま資産となる」新しい経済圏の形成を目指す。さらに、ソウルバウンドトークン(SBT)を活用した次世代型の信用スコア設計など、持続可能なDePINインフラの構築を推進する方針だ。




