米上場バイオ企業、仮想通貨HYPE中心の新会社設立を発表

JinaCoin編集部
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新会社「ハイパーリキッド・ストラテジーズ」を設立

米ナスダックに上場するバイオテクノロジー企業「Sonnet BioTherapeutics, Inc.(SONN:以下ソネット)」は14日、暗号資産(仮想通貨)「HYPE」を中核とした財務戦略を柱とした新会社「Hyperliquid Strategies Inc.(ハイパーリキッド・ストラテジーズ、以下HSI)」の設立を発表した。

この新会社は、ソネットと「Rorschach I LLC(以下ロールシャッハ)」との事業統合によって設立される。ロールシャッハは、投資会社「Atlas Merchant Capital(アトラス・マーチャント・キャピタル)」および「Paradigm(パラダイム)」が主導する新設法人であり、本統合により、ソネットの事業はHSIに引き継がれ、ソネットはHSIの完全子会社となる予定である。

HSIは、事業統合の完了時に約1,260万枚のHYPEトークンを保有し、その評価額は5億8,300万ドル(約859億円、契約締結直前の市場価格ベース)に達する見通しだ。さらに、統合完了時には3億500万ドル(約450億円)の現金収入も得られる見込みであり、この資金によりHSIはHYPEの追加取得が可能となる。これにより、HYPEの戦略的準備金としては世界的にも有数の規模を構築するとみられている。

この取り組みには、パラダイムのほか、「Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)」や「Pantera Capital(パンテラ・キャピタル)」など、仮想通貨業界で著名な投資会社が参加している。

HSIの経営体制には、アトラス社の共同創業者であるボブ・ダイアモンド氏が会長に、同じく共同創業者でCIOのデイビッド・シャミス氏がCEOに就任する予定である。また、米ボストン連邦準備銀行元総裁のエリック・ローゼングレン氏を含む新たな取締役陣も加わる見通しだ。

一方でソネットは、HSIの傘下でがん治療薬候補「SON-1010」をはじめとする既存のバイオ医薬品開発を継続する。また、バイオ資産の将来的な価値創出に関連し、ソネットの既存株主および一部の有価証券保有者には条件付き価値権(CVR)が付与される。

取引の完了は2025年後半を予定しており、現在は株主承認などの手続きが進められている。

HYPEのような急成長中の仮想通貨を財務戦略に組み込む試みは、伝統的な企業の資本構造に変化をもたらす可能性がある。パラダイムやギャラクシー・デジタルといった業界の有力プレーヤーが関与している点は信頼性を補強するものであり、今後の運用実績とガバナンス体制の構築に注目したい。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.4円)

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