暗号資産(仮想通貨)「XRP(エックスアールピー)」の開発企業「Ripple(リップル)」は7日、ステーブルコインを活用した国際送金プラットフォームを展開する「Rail(レール)」を2億ドル(約294億円)で買収することに合意したと発表した。買収は2025年第4四半期に完了する見込みで、必要な規制当局の承認などが条件となる。
世界のB2B決済の1割を処理する見込み
買収の目的は、急速に成長を遂げているステーブルコイン決済市場でのリーダーシップをさらに強化することにある。リップル社は既に、60以上のライセンスを有し、広範な決済ネットワークとデジタル資産の流動性を提供する「Ripple Payments(リップル・ペイメンツ)」を展開しており、今回のレール社買収により、バーチャルアカウントや自動化されたバックオフィス機能を追加し、企業向けの決済インフラを一層強化する。
リップル社のモニカ・ロング社長は、「ステーブルコインは現代金融の中核となりつつあり、レール社との統合により、世界の送金市場における次なるイノベーションを推進できる体制が整った」とコメント。さらに、「世界中の顧客がいつでもどこでも資金を移動できるよう支援することにコミットしている」と述べた。
レール社は過去4年間で、ステーブルコインを活用した国際企業間(B2B)決済システムを構築。2025年には、グローバルで360億ドル(約5.3兆円)に達すると予測されるB2Bステーブルコイン決済のうち、レール社は10%以上を処理すると見込まれている。レール社のバヌ・コーリCEOは「リップルとはビジョンを共有しており、今後は国際的な資金移動を行う数百万の企業に我々のイノベーションを届けることを目指す」と語った。
リップルは60以上のライセンスを保有しており、レール社の買収によって各国規制に準拠した形でステーブルコインを活用する枠組みが強化される。規制対応が鍵となる中、グローバル決済の信頼性確保において大きな前進と言えるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.35円)