量子コンピューターに強い署名方式を使うブロックチェーンのQuantus(クオンタス)は7日、ネイティブトークンQTC(
QTC)の取引を、NEAR(
NEAR)のアプリ「near.com」で始めたと発表した。NEARの分散型取引所Rhea FinanceのQTC/USDCは、8日17時23分(日本時間)時点で約177ドルを付けている。
クオンタスのQTC、near.comで取引開始──中央集権型取引所には上場せず
同社によると、ビットコインやイーサリアム、USDC、ジーキャッシュなど30以上のチェーンの180以上の資産から、利用者が自ら管理するnear.comのアカウントでQTCを購入できる。取引所への送金やブリッジは要らないとしている。
中央集権型取引所への上場はない。QTCは、NEAR Intentsの交換機能「1Click Swap API」にも組み込まれ、この機能を導入済みのウォレットやアプリは、個別の対応なしにQTCを扱えるという。
クオンタスは、2024年に米国立標準技術研究所(NIST)が策定した耐量子の署名の標準を取引に使う、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のブロックチェーンだ。メインネットは9月9日に始まっている。
クリストファー・スミスCEOは、near.comは中央集権型取引所に頼らずにチェーンをまたいで取引できる場であり、NEARは自然なパートナーだったと述べた。
NEAR Intentsを開発するDefuse Labsのアレックス・シェフチェンコCEOは、耐量子の資産は人々がすでに持つ資産から届かなければ意味がないとしている。
QTCの値動き、取引開始から一時約105ドル、8日に上昇が加速
DEX Screenerのチャートによると、Rhea FinanceのQTC/USDCは、7日0時(日本時間)ごろに取引が活発になり、同日早朝に一時約105ドルまで上がった。その後は約90ドルまで下げ、7日の日中は100ドル前後で推移した。

8日に入ると上昇が加速し、17時23分時点では176.93ドルを付けた。8日0時ごろの約100ドルから、約75%上がった計算になる。
| 日時(日本時間) | QTC/USDCの価格 |
|---|---|
| 7日早朝(取引開始後の高値) | 約105ドル |
| 7日早朝(その後の安値) | 約90ドル |
| 8日0時ごろ | 約100ドル |
| 8日17時23分 | 176.93ドル |
同じ7日には、研究者のジャスティン・ドレイク氏が、AIによる数学の進歩で署名方式ECDSAが想定より早く破られる可能性に備え、資産を新しいアドレスへ移すよう業界に呼びかけていた。
QTCの取引の場、NEAR IntentsとRhea Financeには流出の記録
QTCが取引されるNEAR Intentsでは、1日にセキュリティインシデントで約380万ドル(約6億円)が流出した。運営側は脆弱性を修正し、被害を全額補償する方針を示している。
Rhea Financeでも、DeFiLlamaの記録によると、4月16日に同社の貸し出しサービスRhea Lendで、価格操作による1,840万ドル(約29億円)の被害が出ている。
QTCは、金融庁に登録された国内の暗号資産交換業者では取り扱われていない。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.81円)
