注目のGrassエアドロップがバックエンド障害を招く
ソラナネットワークで最も人気のある暗号資産(仮想通貨)ウォレット「Phantom(ファントム)」は28日、バックエンド障害によりサービスが停止したと公式Xで発表した。この障害は、Grass(グラス)プロジェクトの大規模エアドロップと同時に発生し、多くのユーザーに影響を与えた。
Phantomウォレットは現在、システム障害により一部サービスが一時的に中断している。緊急の取引が必要な場合、シミュレーションエラーを無視してdappの使用を試みることを推奨する。問題解決に向け対応中のため、利用者の協力を求める。🙏
ファントムのステータスページでは、この状況はバックエンドの「重大なインシデント」と説明され、「バックエンドがダウンしているようだ」と報告されている。
この障害の概要は以下の通りだ。
- ファントムウォレットのバックエンドが応答停止
- ブラウザ拡張機能、モバイルアプリ、ウェブサイトは正常に動作
- サービス停止時間:約60分間
今回の障害は、グラスのエアドロップ開始から約1時間後に発生。グラスは、ソラナ上のAI(人工知能)データレイヤーで、エアドロップでは総供給量10億トークンのうち1億GRASSトークンが配布される予定だった。
KuCoin(クーコイン)、Bitget(ビットゲット)、Bybit(バイビット)、Gate.io(ゲートアイオー)など主要取引所に上場済みのグラストークンを受け取ろうと、多くのユーザーがファントムにアクセスしたことが過負荷の原因と考えられる。
今回のファントムウォレットの停止は、仮想通貨業界全体にいくつかの重要な影響を与える可能性がある。
- ソラナネットワークへの信頼性の低下:ソラナ上で最も人気のウォレットの一つであるファントムの障害は、ネットワークの安定性に懸念を生じさせる可能性がある。
- 大規模エアドロップ実施時の負荷対策の必要性:今回の障害により、ウォレットへの過剰な負荷対策の重要性が再認識された。
- ユーザー資産へのリスク:ウォレット障害は、ユーザー資金のセキュリティリスクを高める可能性がある。
なお、ソラナネットワーク自体は正常稼働を維持していたが、10月3日にもバックエンド障害を経験しており、エアドロップに対する対応力の強化が課題となっている。
「クリプトニュース」によれば、ファントムウォレットは「a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)」や「Paradigm(パラダイム)」などの投資家から約1億1,800万ドル(約180億円)の資金を受けており、今後のサービス基盤強化が期待される。
今回の障害は、仮想通貨ウォレットの安定性と大規模なエアドロップへの対応能力が今後の重要課題であることを浮き彫りにした。
関連:Phantom Walletの使い方【スマホ版】
関連:Phantom、アップルやグーグルのアカウントでログインできる機能追加へ