- OpenSea(オープンシー)のガス代について解説
- 高騰しているガス代を節約する方法があり、初心者でも簡単に出来る
- 高いガス代を払いたくない人におすすめの、ガス代を無料で利用できる方法がある
OpenSeaのガス代について動画で知りたい方はこちら⬇︎
OpenSea(オープンシー)のガス代について解説
「OpenSea(オープンシー)でNFTアート作品を出品してみたいけど、ガス代とかよく分からない」最近こんな話をよく聞きます。
安心してNFTを取引するためにも、ガス代を理解することは必要です。まずは分かりやすく、ガス代について解説します。
そもそもガス代って何?
ガス代とはイーサリアム・ブロックチェーンでの行動(トランザクション)時に発生する手数料のことです。この手数料は、マイナーと呼ばれる取引時のプログラム処理などをしている人へ支払われます。
OpenSeaで出品されているNFTは、基本的にはイーサリアム・ブロックチェーンを使用しているので、OpenSeaを利用するとガス代(手数料)が発生します。
ガス代っていくらなの?
ガス代は下記の公式で求められます。
ガス代の公式
Gas Limit × Gas Price(gwei)
Gas Limit (ガスリミット)とは?
トランザクションに使用する最大のガス量のこと。単位はGasで表す。
何か問題が起きた際に無限にガスが支払われないようにするためのもので、最低21,000Gas必要。
Gas Price(ガスプライス)とは?
1GasあたりにいくらETHを支払うか決めるもの。単位は一般的にGweiで表す。1Gwei=0.000000001 ETH。
分かりやすくガス代の計算例をあげます。
Gas Limitを500,000 Gas
Gas Priceを50 Gwei
とします。
500,000 Gas×50 Gwei=25,000,000Gwei
=0.025ETH
現在(2022年2月)の1ETH価格は約35万円なので、0.025ETHを日本円に換算すると約8750円です。
このような計算でガス代は決定しています。
ガス代の現在価格の確認方法は?
ガス代の現在価格を確認できるサイト「Eth Gas Station(イーサリアム ガスステーション)」を紹介します。
- Eth Gas Station→https://ethgasstation.info/
このサイトでは、アクセス時の混雑状況に対応したガス代の目安が分かります。
「Recommended priority fee in Gwei」の「Gas Price(legacy)」を見れば大丈夫です。

- FAST : 急ぎの場合
- STANDARD : 標準的速度
- SAFE LOW : 遅くても問題ない場合
個人的な感覚ですが「Gas Price(legacy)」の数値が、
10~30:安い(狙い目)
30~80 : 標準
80~ :高い
で判断しています。
OpenSea(オープンシー)でガス代が発生するタイミングは?販売と購入で条件が違う?
ガス代の基礎について分かったところで、「OpenSeaを利用していて、いつガス代が発生するの?」という疑問に答えていきます。知らない間にたくさんのガス代を使っていてお金が無くなっていた!そのような悲劇がおきないように徹底解説していきます。
結論から言うと、NFTの販売者と購入者ではガス代が発生するタイミングが違います。
下記にわかりやすくまとめておきます。
販売者(出品者)のガス代
- NFTを初出品する時 ※1
- 購入のオファーを受ける時
- オークションや販売をキャンセルする時
- フリーズメタデータをIPFS(分散型サーバー)に保管する時 ※2
※1 初めてNFTを出品する時だけガス代が発生します。2回目からガス代は無料です。
※2 簡単に言うと、永久的に作品を保存できる技術を利用した際に発生します。IPFS に保管すると、OpenSeaとは別のストレージ領域で保存するため、仮にOpenSeaのサービスが終了してもNFTが消えることがありません。ですが、永久的に編集や削除が出来ません。1作品保存するごとにガス代が発生します。
購入者のガス代
- NFTを購入する時
- オファーをキャンセルする時
- ETHをWETHに変える時 ※3
※3 WETHとは、OpenSeaでのオファーやオークションに参加する為に必要なトークン。1WETH=1ETHの価値がある
基本的にオファーをキャンセルするとガス代がかかります。分からずにたくさんキャンセルして、必要以上のガス代を払うようなことが無いよう注意しましょう。
OpenSeaでの出品方法や購入方法が知りたい方は「OpenSea(オープンシー)の使い方ガイド」をご覧ください。
OpenSea(オープンシー)のガス代を節約する方法
2021年2月のNFTブームを境に、イーサリアム・ブロックチェーンのガス代は高騰しています。現在もガス代だけで1万円を超えた。そのような話が後を絶えません。しかし、NFT関連の業界にいる以上、ガス代とは共存していかなければなりません。
ガス代とうまく付き合うための具体的な節約術を紹介します。
OpenSeaのガス代が安く済むタイミングを狙う
ガス代の節約方法をはっきり言います。ガス代の適正価格を間違わない事、極論これだけです。
1万円分のガス代を支払った後に確認したら5千円程度になっている。こんな取引を繰り返していたら、お金がいくらあっても足りません。
OpenSeaのガス代が安い時間は?

上の画像は直近1週間のGas Priceのチャートです。(2022年2月5日~12日)
このチャートから分かることは大きく2つあります。
- 日付が変わる直前から次の日の午前中までの間に、Gas Priceが大きく動いている
- 夕方から夜にかけては、比較的大きな動きはなく落ち着いている
このことから、日本時間で15時頃~19時頃の取引が最適であると考えられます。
日本時間で15時頃~19時頃は、アメリカでは夜中です。NFTや仮想通貨といったカテゴリーは、アメリカで多く取引がされているため、この時間帯の取引量が少ないと考えられます。
今後、いろんな国がNFT業界に参戦して、さらに規模が大きくなる可能性が大いにあります。そうなると取引量が少ない時間帯は変わってくるかもしれませんが、現時点では日本時間の15時~19時頃に取引するのが最適だと考えられます。
また、ビットコインが下落すると、同じようにイーサリアムも下落する傾向が強くみられます。イーサリアムが下落するとイーサリアムを売る人が増え、処理の需要が高まり、必然的にガス代は高くなります。
随時情報を集めることで、安いガス代のタイミングを逃さないようにしましょう。
Gas Priceのチャートが見られるサイトはこちらです。
→https://milkroad.com/ethereum/gas/
Metamask(メタマスク)の設定を変更してガス代を安くする
小技のようなものですが、Metamask(メタマスク)の設定を変更することでガス代を節約できます。少しでもガス代を節約したい方におすすめです。
取引速度を落とす
手動で数値を変更する
①の方法より更にガス代を安く済ませる設定方法を解説します。
まずは、最初に話したガス代の計算式を思い出してください。
Gas Limit × Gas Price(gwei)
超単純な話ですが、Gas LimitとGas Priceを小さくすればガス代は安くなります。これから、Gas LimitとGas Priceの変更方法を解説します。
おすすめの手動設定
Gas LimitとGas Priceをどれぐらい下げればいいのか、難しいですよね。おすすめの手動設定を説明します。
結論からいうと、
- Gas Limit : 変更無し
- Max priority fee (GWEI): 変更無し
- Max fee(GWEI):Gas Price : メタマスクが提案する値より少し下げる
に設定するのがおすすめです。
Gas Limitは変更出来ますが、基本的には変更しない方がいいです。設定したGas Limitを超える量のGasを使用した場合、強制的に処理が終了します。問題が起きた際に無限にガス代が発生するのを防ぐためです。強制的に処理が終了すると、取引は成立せずガス代は戻ってこない。という最悪なケースになる可能性があります。特別理由が無ければ放置してください。
取引のシステム上、Max feeが高い人の取引から処理されていきます。過度に下げるとガス代の節約にはなりますが、いつまでたっても処理されません。時間がかかっても大丈夫という人は、メタマスクが提案してくる値より少し下くらいで設定するのがおすすめです。
OpenSea(オープンシー)のガス代をほぼ無料にする方法
「なんだよ、ガス代無料に出来るなら節約とか意味ないよね?」
そんな声が聞こえてきそうですが、ちょっと待ってください。確かに、ガス代をほとんど無料にする方法はあります。しかし、出品した作品が売れにくくなる。という大きなデメリットもあります。
メリット/デメリットを含め、ガス代をほとんど無料にする方法について解説していきます。
OpenSeaのガス代は問題視されている
イーサリアム・ブロックチェーンのガス代の高さは常に問題視されています。OpenSeaではイーサリアム・ブロックチェーンの使用率が高いので必然的にガス代も高くなります。
ここで一旦、他チェーンのNFTマーケットを見てみましょう。例として「Solanart(ソラナート)」を参考にします。
Solanart(ソラナート)はSolanaチェーンのNFTマーケットプレイスです。「SolPunks(ソルパンクス)」というおもしろいNFTもあったりします。

早速Solanaのガス代(Fee)を確認してみましょう。

これは筆者が約2カ月前に行ったSolana上でのトランザクションの履歴です。ガス代(Fee)は0.000005SOLでした。日本円に換算すると0.095円です。(2021年12月頃のレート)
…0.095円です。すごいですよね。
OpenSeaは言わずもがな世界最大NFTマーケットプレイスです。ですが、ガス代の高さから他NFTマーケットプレイスへ流れる人は少なくないです。
そんな問題を解決すべく、OpenSea社は「polygon(ポリゴン)」というプロトコルを導入しました。
polygon(ポリゴン)とは?
polygonは、イーサリアム(レイヤー1)のガス代問題を解決すべく誕生した、イーサリアム向けのレイヤー2スケーリングソリューションのことです。別チェーンではなく、イーサリアム・ブロックチェーン上で機能するものであり、Polygon独自のブロックチェーンで処理します。
イーサリアム・ブロックチェーン上だけどイーサリアムを使わない=ガス代がかからない技術ということです。
polygon(ポリゴン)のメリットとは?
最大のメリットは新規の参入障壁が小さくなったことだと思われます。
NFTを始めてみたい人の最初の壁は、初出品時のガス代です。売れるか分からない作品を出品するだけで5,000円から1万円も掛かると、怖くなりますよね。しかし、Polygonを利用することでその壁は完全になくなります。
また、Twitterでよく見かける「Giveaway」などのNFTプレゼント企画にPolygonがよく利用されています。
Polygonのデメリットとは?
一方、Polygonには大きなデメリットが2つ存在します。
1つ目は、価値が高いNFTがイーサリアムチェーンに多いことです。
NFT熱の強いコレクターや企業、プロジェクトチームはイーサリアムチェーンのファンといってもいいでしょう。つまり、Polygonの領域には大きな資産を持っているユーザーが少ないということです。
2つ目は、オークション販売ができない事です。
以上を踏まえた上で、お金を稼ぎたい!コレクターに買ってもらいたい!というタイプの人はイーサリアム、とりあえずNFTに触れてみたい!安くたくさん取引したい!というタイプの人はPolygon
という風に用途別に分けて使用することをおすすめします。
OpenSea(オープンシー)のガス代に関するよくある質問(Q&A)
NFTを売買する際にかかってくるコストは、基本的に経費として計上できます。
NFTや仮想通貨関連は税金や確定申告の問い合わせが多い印象を受けます。
ガス代も経費に含まれるのでしっかり管理しましょう。
まとめ
ここまでOpenSeaのガス代と節約方法、ガス代問題を解決するPolygonについて解説してきました。
今後もNFT業界が発展していけば、ガス代は避けては通れない大きな問題となるでしょう。目まぐるしく変化する仮想通貨・NFT業界を全力で楽しむためにも、日々情報を集めていかなければいけませんね。
OpenSeaの使い方が分からない方は「OpenSea(オープンシー)の使い方ガイド」の記事を参考にしてみてください。
ガス代についてお聞きしたいのですが、例えばガス代が日本円換算で1万円だとして、初めて3作品を出品すると合計3万円のガス代がかかるということでしょうか?それとも初出品の時に一万円かかるだけで、あとは何作品出品しても2.5%だけということでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。
初回出品時のみ1万円がかかります。2回目以降は2.5%のみです。