米ナスダック上場のビットコイン(BTC)企業ナカモトは先月30日、2025年第4四半期および通年の決算を発表した。この中で同社は、約2,000万ドル(約31億円)相当のビットコインを売却し、米ドル建ての運転資金準備金を設立したことを明かした。
年末時点で5,342BTCを保有、企業価値は約541億円へ
ナカモトの発表内容によると、2025年通年のビットコイン事業では、価格下落を反映してデジタル資産の公正価値変動損失が1億6,620万ドル(約263億円)に達したという。
この損失の要因としては、加重平均取得価格118,171ドルに対し、年末価格が87,519ドルまで下落したことが挙げられている。また第4四半期単体では、9月末の114,078ドルから12月末にかけての価格下落で1億4,260万ドル(約226億円)の損失を計上したという。
同社はビットコイン
BTCを売却した理由について、「戦略的イニシアティブや統合活動、クラーケン・ローンの利息支払いを含む運営費用に充てるため」と説明している。年末時点での同社のビットコイン保有数は5,342BTCとしているが、執筆時点では5,058BTCとなっており、差額284BTCが売却されたとみられる。
なお、事業面では2026年2月、ビットコイン・メディア大手「BTC Inc」と資産運用企業「UTXOマネジメント」を買収。メディア・資産運用・アドバイザリーを統合した垂直統合型ビジネスへの移行を果たしている。
株価は30日に過去最安値更新、ピーク時の1%以下にとどまる低水準
ナカモトの株価は、依然として0.2ドル台の低水準での推移が続いている。決算発表日の終値は0.21ドルと前日比7.16%安となり、過去最安値を記録した。執筆現在は0.22ドルまで戻すも、依然力ない動きを見せている。

同社株は2025年5月に一時34.7ドル台まで急騰した後、数か月をかけて下落。現在の水準はピーク時の1%以下にとどまる。今後株価がどのように反転していくかに市場の関心が集まりそうだ。
ヘルスケア事業の撤退を開始、ビットコイン事業に集中する方針
ナカモトは既存のヘルスケア事業からの撤退を開始しており、今後2四半期での完了を見込んでいる。撤退により運営損失の削減とビットコイン・ネイティブ事業への集中が期待されるとしている。
同社CEOのデイビッド・ベイリー氏は「次のフェーズは実行によって定義される」と述べ、買収した各社の統合完了や事業拡大への注力を強調した。COOのアマンダ・ファビアーノ氏も「構築フェーズから実行フェーズへと移行できる立場にある」とし、ビットコイン企業としての基盤構築を進める考えを示した。
ビットコインを事業の根幹に据えるナカモトにとって、同通貨の価格動向は業績を左右する最大の変数と言えるだろう。実行フェーズに移行した同社が、ビットコイン企業としての成長をどう描くか引き続き注目したい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.6円)




