ビットコインの総供給量2,100万の2.2%以上を保有
米国ソフトウェア企業「Strategy(ストラテジー、旧マイクロストラテジー)」は10日、2月3日から9日にかけて約7,633ビットコイン(BTC)を約7.4億ドル(約1,124億円)で追加購入したと発表した。これにより、同社のビットコイン保有総量は478,740 BTCに達し、評価額は約7兆円に達する。
今回の購入価格は1ビットコインあたり約97,255ドルで、これによりストラテジー社のビットコイン平均取得価格は1BTCあたり約65,033ドルとなった。この購入の原資は、自社株および永久優先株からの収益だ。
ストラテジー社は、2024年10月30日に複数の証券会社との間で締結した販売契約に基づき、クラスA普通株式を最大210億ドル(約3.1兆円)分発行できる体制を整えている。今回、2月3日から9日の間に約51万株を売却し、約1億7,900万ドル(約272億円)の収益を得た。残り約41億7,000万ドル(約6,327億円)が未使用である。
また、2月5日には永久優先株「STRK」の公募を完了し、730万株を1株80ドルで販売。約5億6,340万ドル(約855億円)の収益を確保した。
ストラテジー社は、2024年11月11日から2025年1月27日まで12週連続で、合計約200億ドル(約3兆円)以上のビットコインを購入し続けていたが、2024年Q4決算が発表された先週は、購入しなかった。
また、同社はビットコイン購入戦略の成果を測定するため、独自指標「BTC Yield KPI(ビットコイン利回りKPI)」を導入している。この指標は、ビットコイン保有量と想定希薄化後発行済株式数の比率変化を示すものであり、株主価値の向上にどの程度寄与しているかを測ることを目的としている。2025年1月1日から2月9日までの同指標は4.1%で、前回発表された1月1日から26日までの2.9%と比較すると、上昇傾向にある。
ストラテジーの戦略は、企業財務におけるビットコイン活用の最前線を示している。株式発行による資本調達とBTCの継続的な買い増しを組み合わせる独自の手法は、賛否が分かれるものの、長期的な企業価値向上を狙った大胆な試みといえる。市場環境や規制の変化が今後の成否を左右する中、同社の動向は引き続き注視すべきだろう。
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