ホテル事業からビットコイン投資へ大転換|マイクロストラテジー会長も称賛
日本の上場企業「Metaplanet(メタプラネット)」が、ビットコイン投資戦略により急成長を遂げ、株式市場で大きな注目を集めている。メタプラネットCEOのサイモン・ゲロヴィッチ氏は19日、公式Xで、同社が日本の公開企業の株式取引量で29位にランクインし、伊藤忠商事やNTTなどを上回る取引量を記録したと投稿した。
これに対し、ビットコイン投資の先駆者である米企業「MicroStrategy(マイクロストラテジー)」のMichael Saylor(マイケル・セイラー)会長は「ビットコイン・スタンダードへようこそ」と称賛のコメントを寄せた。
元々ビジネスホテルを運営していたメタプラネットは、2024年4月にビットコイン投資戦略を発表。積極的なビットコイン購入を通じて企業価値を高め、株式市場での存在感を大きく拡大している。
同社の現在のビットコイン保有量は1,142BTC(約163億円相当)で、同社の時価総額の20%を占める。この保有量は、ビットコインマイニング機器メーカーの「Canaan(キャナーン)」やノルウェー企業「Aker ASA(エイカーエーエスエー)」を近い将来上回るペースで増加中だ。さらに、11月18日には金利0.36%で17億5,000万円の普通社債発行を発表。調達資金を全額ビットコインの追加購入に充てるとし、翌日には17億5,000万円相当のビットコインを購入した。
同社は、円安や政府債務増加による円の購買力低下リスクをヘッジするため、ビットコイン購入を進めている。また、投資効率を評価するために「BTCイールド」という新指標を導入した。これは保有するビットコイン総額を発行済株式数で割った比率の変化率を示し、ビットコイン投資の成果を可視化するものだ。11月19日時点でのBTCイールドは186.9%に達し、前四半期の41.7%から大幅に上昇している。
マイクロストラテジーは現在、約4.2兆円相当のビットコインを保有しており、ビットコイン保有企業としては世界最大手だ。同社は11月18日にも約7,000億円相当のビットコインを購入したことを発表し、さらに約2,400億円の社債発行を通じた追加購入を計画中だ。メタプラネットは「ビットコインスタンダード」を掲げ、同社の成功例を手本としている。
一方で、業界からは懸念の声も上がっている。「EthHub」創設者のEric Conner(エリック・コナー)氏は「ビットコインがセイラー氏を中心に中央集権化している」と警告。ヘッジファンドマネージャーのMark Spiegel(マーク・スピーゲル)氏は、1980年代に銀市場で破綻したハント兄弟の二の舞になる可能性を指摘している。
メタプラネットの今後の動向は、日本企業のビットコイン投資戦略を占う上で重要な指標となるだろう。
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情報ソース:U.Today / サイモン・ゲロヴィッチ氏公式X