マクロ経済に転換点、仮想通貨市場は8月から強気相場入りか?=著名トレーダー

伊藤 将史
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独自のマクロ指標で分析、ビットコインは先行して最高値更新

仮想通貨トレーダーのDecode氏は13日、自身が開発した独自のマクロ経済指標が、経済全体の大きな転換点と、それに伴う暗号資産(仮想通貨)市場の本格的な強気相場の到来が間近であることを示唆しているとの分析をXで公開した。

Decode氏は、世界的なマクロ経済の流動性(市場に出回る資金の量)の増減が、あらゆる資産価格の先行指標となるという前提で、市場を分析。「流動性が経済を牽引するからこそ、ビットコインはアルトコインをリードしている。そして流動性はすでに急上昇しており、ビットコインもすでに最高値を更新している」と現在の市場について述べている。

続いて「産業需要は回復しつつある。経済全体に依存するアルトコインやテクノロジー企業が、ようやくブレイクし始めている」とした上で、自身の独自指標を交えて今後について予想した。

8月にマクロ経済は上昇トレンド入りか

同氏の独自指標では、「早ければ7月中、8月はほぼ確実に」下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示す「緑」が点灯するとした。

ビットコイン価格(上段)、アルトコイン市場の時価総額(中段)、マクロ経済指標MTO(下段)の3つを重ねた月足チャート
ビットコイン価格、アルトコイン市場、マクロ経済指標MTOを示す複合チャート(出典:Decode氏X)

ポストに添付されたこの図は、上から順にビットコイン価格、アルトコイン市場の動向、そして独自のマクロ経済指標で構成されている。

  • 上段(黒線):ビットコイン価格。ビットコインの価格が、経済全体の流動性を先行して反映する指標として、すでに史上最高値を更新している様子を示している。
  • 中段(赤線):アルトコイン市場の時価総額。これは、ビットコインとイーサリアムを除いたアルトコイン全体の市場規模を示している。Decode氏は、アルトコインを「経済全体に依存するテクノロジービジネス」と位置づけており、ビットコインに少し遅れて上昇に転じ、まさに今、本格的な上昇が始まっていると分析している。
  • 下段(ヒストグラム):「DECODE Macro Trend Oscillator」という独自のマクロ経済指標だ。これは、金利や金融政策など約40もの経済指標を統合した、景気の転換点や経済全体のトレンドを視覚化することを目的とした指標である。
    このヒストグラムは、赤色が下降トレンド、緑色が上昇トレンドを示しており、現在はまだ赤色だが、ゼロライン(上昇と下降の境界線)まであとわずかに迫っている。Decode氏はこの指標が「8月にはほぼ確実に緑色に転換する」と予測している。

なお、Decode氏の投稿時点でビットコインはすでに最高値を更新していたが、その後も上昇を続け、14日午前11時台(日本時間)には一時12万ドルに達し、史上最高値をさらに更新した。

同氏は、過去のデータから「一度オシレーターが緑を点灯させると、二度と後戻りはしない」と指摘。「ほとんどの人はまだ準備ができていない」中で本格的な上昇が始まる可能性があると述べている。

Decode氏の一連の分析は、ビットコインが単独で動いているのではなく、世界的な流動性の波をいち早く捉え、その後にアルトコインや株式市場といった経済全体が追随するという大きなサイクルに基づいたものだ。そして、その大元のマクロ経済が今まさに転換点を迎えており、先行指標はすでに青信号を灯し始めている、というのが同氏の主張である。Decode氏の独自指標が絶対に正しいとは限らないものの、仮想通貨市場に本格的な”バブル”が訪れるとの言説が流れ始める中で、その説を補強する材料の一つと言えるだろう。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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