米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツは4日、ステーブルコイン「FIDD(Fidelity Digital Dollar)
fidelity-digital-dollar」の稼働開始を発表した。発行元は同社傘下のフィデリティ・デジタル・アセッツで、米ドルと1対1で連動する。イーサリアムブロックチェーン上で展開され、同社の顧客である個人・機関投資家向けに提供される。
準備金レポートを毎月公表、流通量とNAVも開示
FIDDは完全担保型のステーブルコインであり、流通するすべてのトークンに対して同額以上の準備金を保有する。担保となる資産は現金、米国債、その他流動資産で構成されており、金や他の暗号資産(仮想通貨)を担保とするステーブルコインやアルゴリズム型のステーブルコインとは異なり、法定通貨ベースで裏付けられている点が特徴だ。
透明性確保への取り組みも明確に示されており、準備金のレポートはAICPA(米国公認会計士協会)基準に準拠して毎月作成される。加えて、流通量と準備金純資産価値(NAV)は毎営業日の終了時点で開示される仕組みである。
FIDDでは購入、償還、準備資産管理、トークン発行といったすべての機能をフィデリティグループが一貫して担うモデルを採用している。準備資産の運用はフィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチが担当し、同社の資産運用のノウハウを活用する。
フィデリティ・デジタル・アセッツのマイク・オライリー社長は、1月のFIDD発表時に「デジタル資産エコシステムの変革力を長年信じ、ステーブルコインの利点を研究・提唱してきた」と述べた。また、同氏は決済用ステーブルコインに明確な規制の枠組みを設けたジーニアス法の成立にも言及し、「規制の明確化が進む中、法定通貨担保型ステーブルコインを発行できることを喜ばしく思う」との認識を示した。
ステーブルコイン市場は現在3,160億ドル(約49.6兆円)を超える規模に成長している。大手金融機関としての透明性と運用体制を強みに、フィデリティはステーブルコイン市場へ本格的に参入したといえるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.0円)
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