近年、地方自治体によるDAOやNFTなどのWeb3技術を活用した取り組みが活発化しています。今回は、愛媛県宇和島市がKDDIと連携して開始した、NFTを活用した関係人口創出の取り組み「宇和島城体験NFTプロジェクト」について紹介します。
宇和島市とは

宇和島市は愛媛県南部、宇和海に面した自然豊かな港町で、歴史的建造物や独自の文化が息づく地域です。中でも国指定重要文化財「宇和島城」は、現存する12天守のひとつとして全国から歴史ファンが訪れる名所。また、伊達家十万石の城下町としても知られ、祭りや甲冑文化など伝統的な魅力も多く残る街です。
宇和島市が実施する『宇和島城体験NFTプロジェクト』とは

宇和島市は、KDDI株式会社と連携し、Web3技術を活用した「宇和島城体験NFTプロジェクト」を2024年3月8日に開始しました。これは、NFTを購入することで、宇和島城や地域文化にちなんだ“特別な体験”を得られるという、新しいふるさと交流のかたちを提案するものです。
NFT購入者には、豊臣秀吉や伊達政宗の甲冑を着て「伊達なうわじまお城まつり」に参加する企画や、宇和島城の夜間開城、お茶会、インスタグラマーとの交流ツアーなど、NFTとリアル体験を組み合わせた多彩なコンテンツが提供されました。NFTの種類に応じて、宿泊付きのパッケージやオンラインツアーなども用意されており、限定的かつ特別感のある取り組みとなりました。
『宇和島城体験NFTプロジェクト』の具体的な仕組み

このプロジェクトでは、「αUマーケット」にて体験NFTが販売され、購入者はNFTを通じて、以下のような限定体験に参加することができました。
- 【A1・A2】:秀吉または政宗の甲冑を着用し、お城まつり・夜間開城・お茶会・甲冑着付け、宿泊つきプラン
- 【B】:夜の宇和島城ガイド付きツアー、お茶会、甲冑着付け
- 【C・D】:インスタグラマーKAORI氏による現地またはオンラインガイドツアー
- 【E】:甲冑着付け体験のみ
すべての体験はNFT所有者限定で、購入者1名に提供されたプレミアム体験でした(一部宿泊プランは2名まで可)。
さらに、宇和島市はNFTアートプロジェクト「MetaSamurai」ともコラボ。宇和島城の甲冑やご当地キャラ「牛鬼」、特産のみかんをモチーフにした限定デジタルファッションNFTも販売され、地域文化をWeb3空間で発信し、全国のファンとのつながりを創出しました。
今後の展開と期待
このプロジェクトは、2024年8月で実証実験期間を終了しましたが、関係人口の創出や宇和島のブランド価値向上に大きな可能性を示しました。NFTとリアル体験を組み合わせた地域振興の先進事例として、今後の再始動や他自治体への波及にも期待が寄せられています。
おわりに
宇和島市の「宇和島城体験NFTプロジェクト」は、Web3技術を活用して歴史・文化と人々をつなぐ新しい地方創生のモデルケースです。NFTを通じて「体験と絆」を届けるこの試みから、今後の自治体のデジタル活用にも目が離せません。
参考リンク
- 宇和島市NFTプロジェクト紹介ページ:https://www.city.uwajima.ehime.jp/soshiki/22/oshironft.html
- 宇和島市公式サイト:https://www.city.uwajima.ehime.jp/
- NFT販売サイト「αUマーケット」:https://market.alpha-u.io/collections/uwajima