株式会社jaybeが運営する暗号資産(仮想通貨)ニュースメディア「JinaCoin」は、20代以上の日本在住者351名を対象に、暗号資産の確定申告に関するインターネット調査を実施しました。
現在、日本では2028年以降の暗号資産取引を対象に、最大55%の総合課税から約20%の申告分離課税へ移行する方針が検討されています。
今回の調査では、暗号資産の投資経験者の確定申告の実態に加え、手続きの中で何が負担になっているのか、また税負担を背景に海外移住・移転を検討した人がどの程度いるのかが明らかになりました。
調査概要
| 調査名 | 暗号資産の税負担と確定申告、海外移住に関する調査 |
| 調査期間 | 2026年4月17日(金)〜2026年4月20日(月) |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 調査対象 | 20代以上の日本在住者 |
| 有効回答数 | 351名(男性202名・女性143名・その他6名) |
| 調査主体 | 株式会社jaybe / JinaCoin編集部 |
調査結果サマリー
- 実際に利益(含み益を含む)が出たことのある投資経験者144名のうち、47.2%が「確定申告をしたことがない」と回答
- 確定申告で困ったことの1位は「損益計算が複雑」(85名)、2位は「取引履歴の管理」(65名)
- 投資経験者の24.0%が、税負担を理由に「海外への移住・移転を検討したことがある」と回答
- 暗号資産を10万円以上保有する人の4割超が、税負担を理由に海外への移住・移転を検討したことがある
利益が出たことがある人の47.2%が「確定申告をしたことがない」と回答
暗号資産に投資したことがある179名のうち、これまでに利益(含み益を含む)が出たことがある144名に、確定申告の経験を尋ねたところ、「したことがない」が47.2%(68名)で最も多く、次いで「過去にしたことがある」が32.6%(47名)、「毎年している」が16.0%(23名)でした。

| 確定申告の経験 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|
| 毎年している | 16.0% | 23名 |
| 過去にしたことがある | 32.6% | 47名 |
| したことがない | 47.2% | 68名 |
| 利益が出ていないのでしていない | 4.2% | 6名 |
利益額が少なく申告義務が生じていないケースも含まれるとみられますが、利益が出ていても確定申告に至っていない人が一定数いることがわかりました。
暗号資産は利益が出た後も申告の要否を判断しづらいことに加え、損益計算や取引履歴の整理に手間がかかるため、手続きそのものがハードルになっていると考えられます。
確定申告で困ったこと、1位は「損益計算が複雑」、2位は「取引履歴の管理」
投資経験者179名に、確定申告で最も困ったこと(または現在困っていること)を尋ねたところ(複数回答可)、「損益計算が複雑」が85名で最も多く、次いで「取引履歴の管理」が65名でした。

| 確定申告で困ったこと | 人数 |
|---|---|
| 損益計算が複雑 | 85名 |
| 取引履歴の管理 | 65名 |
| どの取引が課税対象かわからない | 32名 |
| 海外取引所の扱いがわからない | 22名 |
| 税理士費用が高い | 18名 |
| 困ったことはない | 18名 |
| 確定申告の経験がない | 37名 |
暗号資産には、株式や投資信託における「特定口座(源泉徴収あり)」のように、証券会社側で損益計算や納税手続きまで完結する仕組みがありません。民間の損益計算ツールを活用する方法はあるものの、複数の取引所を利用している場合は、ユーザー自身が取引履歴を集めて整理する必要があります。
特に海外取引所やDeFi(分散型金融)を利用している場合は計算が複雑になりやすく、こうした実務的な手間が確定申告の負担につながっているとみられます。
税負担を理由に、投資経験者の24.0%が海外移住・移転を検討
投資経験者179名に、暗号資産の税負担を理由に海外への移住・移転を検討したことがあるかを尋ねたところ、「興味はある」が19.5%(35名)、「具体的に検討した」が4.5%(8名)で、合わせて24.0%(43名)が検討したことがあると回答しました。

| 海外への移住・移転 | 割合 | 人数 |
|---|---|---|
| 関心がない (考えたことはない/現在投資していない) | 76.0% | 136名 |
| 興味はある | 19.5% | 35名 |
| 具体的に検討した | 4.5% | 8名 |
実際に利益(含み益を含む)が出たことがある144名に絞ると、その割合は26.4%(38名)でした。
保有額10万円以上の4割が、税負担を理由に海外移住・移転を検討
現在暗号資産を保有している人を合計評価額別にみると、保有額10万円未満では税負担を理由に海外移住・移転を検討したことがある人は5.3%(3名)だったのに対し、10万円以上では40.6%(28名)でした。

| 暗号資産保有額 | 具体的に検討した | 興味はある | 考えたことはない | 検討経験あり |
|---|---|---|---|---|
| 10万円未満 (n=56) | 1名 | 2名 | 53名 | 5.3% (3名) |
| 10万〜50万円 (n=31) | 2名 | 7名 | 22名 | 29.0% (9名) |
| 50万〜100万円 (n=20) | 3名 | 9名 | 8名 | 60.0% (12名) |
| 100万〜500万円 (n=16) | 0名 | 6名 | 10名 | 37.5% (6名) |
| 500万円以上 (n=2) | 0名 | 1名 | 1名 | 50.0% (1名) |
※500万円以上は参考値
50万〜100万円では60.0%(12名)と最も高く、10万〜50万円は29.0%(9名)、100万〜500万円は37.5%(6名)でした。税負担が、暗号資産投資家の国内定着に影響を与える可能性も浮き彫りになりました。
まとめ
今回の調査では、暗号資産で利益(含み益を含む)が出たことがある人のうち、47.2%が「確定申告をしたことがない」と回答しました。利益が出ていても、確定申告に至っていない人が一定数いることがわかりました。
その背景となる課題として、確定申告で困ったことの1位に「損益計算が複雑」、2位に「取引履歴の管理」が挙げられました。暗号資産は損益計算や取引履歴の整理に手間がかかるため、手続きそのものがハードルになっていると考えられます。
さらに、税負担を理由に海外への移住・移転を検討したことがある人は投資経験者全体で24.0%、暗号資産を10万円以上保有する人では40.6%でした。今後、税制の見直しが進むのであれば、税率だけでなく、申告手続きの負担をどう軽減するかも重要な論点になりそうです。
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