サークル、アプトスでネイティブUSDC導入|ブリッジ不要で利用可能に

ヤマダケイスケ
10 Min Read
画像はAptos公式Xより引用

lzUSDCからネイティブUSDCへの段階的移行促進も計画

ステーブルコイン「USDC」を発行する米国企業「Circle(サークル)」は30日、高いスケーラビリティを実現するブロックチェーン「Aptos(アプトス)」上でネイティブUSDCのサポートを開始したと発表した。これにより、アプトス上の開発者やユーザーは、ブリッジを介さずにUSDCを直接利用できるようになる。

この発表により、USDCは合計17のブロックチェーンでネイティブにサポートされることとなった。サークルは今後も対応チェーンを拡大し、より広範なエコシステムでのUSDC活用を推進する方針を示している。

これまでアプトス上では、USDCの代替として「lzUSDC」が利用されてきた。lzUSDCは、LayerZero(レイヤーゼロ)のブリッジ技術を活用し、イーサリアム上のUSDCをアプトスへ転送したブリッジ型のステーブルコインである。ネイティブUSDCが存在しなかったアプトスにおいて、ステーブルコイン取引を支える決済手段として機能してきた。

しかし、lzUSDCはサークルが発行する公式USDCとは異なり、ステーブルコイン送金・管理に特化したプラットフォーム「Circle Mint(サークルミント)」との互換性を持たない。そのため、1:1で米ドルと直接交換できないという制約があり、利便性に欠ける側面があった。

だが今回のネイティブUSDC導入により、サークルミントおよびそのAPIがアプトス上で完全に機能するようになり、開発者や企業が公式のUSDCを直接活用できる環境が整った。また、アプトスチームとブリッジプロバイダーはエコシステムの参加者と連携しながら、lzUSDCからネイティブUSDCへの段階的移行を促進する方針を示している。

サークルは、レイヤーゼロやそのブリッジプロバイダーである「Stargate(スターゲート)」をはじめとする各プロバイダーが、lzUSDCの普及に大きく貢献したと評価。これらのブリッジ技術を通じてUSDCの需要が高まったことが、今回のアプトス上でのネイティブUSDC導入の決定を後押ししたという。

なお、アプトス上のネイティブUSDCは今後、米国の大手仮想通貨取引所「Coinbase(コインベース)」でのサポートが予定されている。これにより、ユーザーはより簡単にアプトス上のUSDCを取引できるようになる見込みだ。さらに、その他の大手取引所でのサポートやより多くのブロックチェーンへの展開を通じて、今後のUSDCのさらなる普及拡大やエコシステムの成長に期待したい。

関連:サークル、USDC流通量が前年比78%増加=2024年成長報告
関連:Circle、新サービス「Paymaster」を発表|USDCでガス料金支払い可能に

仮想通貨の最新情報を逃さない!GoogleニュースでJinaCoinをフォロー!

Share This Article
仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
Leave a Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA