直近で度重なる流出、10日間で6,000万XRP
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「CryptoQuant(クリプトクオント)」のアナリストであるMaartunn氏は25日、「Ripple(リップル)」共同創業者のクリス・ラーセン氏に関連するウォレットが、過去10日間で2億ドル(約294億円)相当のXRPを売却したと公式Xで共有した。
Maartunn氏が共有したウォレットアドレスのバランス推移によると、ラーセン氏関連のウォレットでは年初から複数回にわたりXRPの流出が確認されている。特に7月に入ってからは短期的で顕著な動きを見せており、15日からの10日間で移動されたXRPの総量は約6,000万XRPに到達。執筆時点での換算で約1億8,920万ドル(約278億円)相当がウォレットから移動された形だ。

ラーセン氏関連ウォレットには依然として約22.8億XRP(約71億ドル、約1兆500億円)が残されているものの、今回の大規模な資産移動は、XRPホルダーの間に不安を広げる要因となり得る。Maartunn氏は投稿の中で「それでも買い続けるか?あなたは出口の流動性だ」と強調し、投資家に向けて今後の動向に対する警戒を促した。
一部のXRPは取引所を含むサービスへ移動
今回移動されたXRPの一部は、その移動先が特定されている。オンチェーン分析家として知られるZachXBT氏が24日に投稿した内容によると、今回移動されたXRPのうち約5,000万XRP(約1億5,760万ドル、約232億円)が4つの異なるウォレットに送金されたという。同氏はこのうち、約1億4,000万ドル(約206億円)相当が暗号資産(仮想通貨)取引所を含むサービスに移されていることを明らかにした。
大規模なXRPの移動についてラーセン氏本人はSNS等で言及しておらず、公式の説明は見られない。SNS上では、リップルによるXRPの売却準備ではないかとの憶測が飛び交う一方、資産の分散化を目的とした内部的な再配置である可能性も指摘されている。情報不足が投資家の不安心理を煽っている状況だ。
XRPは現在、3.1355ドルと前日比-0.31%で価格推移。日足レベルでは3.6ドル付近がレジスタンスとして市場に意識され、売り圧を呼び込む形で一旦下げてきている。

仮に売却目的であれば短期的な下押し圧力が意識されるが、真の意図が明らかでない現状はいずれにしても市場の不安が強まっていることは確かだ。今後のラーセン氏関連ウォレットの動きも、仮想通貨市場全体の動きやリップルの技術革新とともに注視しておく要素のひとつとなるだろう。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.42円)