欧州最大のファントークンプラットフォームを運営するChiliz(チリーズ)グループの子会社Socios Europe Services Limited(ソシオス・ヨーロッパ・サービシス・リミテッド 以下、SES)は29日、マルタ金融サービス庁(MFSA)から「Markets in Crypto-Assets Regulation(MiCA)」の事前認可を取得したと発表した。これにより、EU全域で統一された暗号資産サービス提供事業者としての正式認可取得に向けて大きく前進した。
EU統一暗号資産規制「MiCA」への適合を実現
今回取得した事前認可は、2024年に施行されたEUの統一暗号資産規制「MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation:暗号資産市場規制)」に基づくもので、暗号資産サービス提供事業者(Crypto-Asset Service Provider)としての適格性が認められたことを意味する。最終的な認可要件の完了により、近日中に正式なMiCAライセンスの取得が期待される。
MiCAライセンス取得後は、マルタを拠点として欧州経済領域(EEA)加盟国全域で規制対象の暗号資産サービスをパスポート制度により展開可能となる。現在、Socios Services Baltics UABが提供しているSocios.comプラットフォームの運営も、SESに移管される予定だ。
包括的な暗号資産サービスをライセンス対象に
取得予定のMiCAライセンスは以下のサービス範囲をカバーする:
- 顧客に代わった暗号資産の保管・管理
- 暗号資産と法定通貨の交換サービス
- 暗号資産の発行・配置サービス
- 顧客に代わった暗号資産の送金サービス
一方、ファンエンゲージメント投票、ロイヤルティプログラム、サードパーティdAppアクセスなどの非MiCA対象サービスとは明確に区別して提供される。
多管轄での規制コンプライアンス実績
チリーズグループは長年にわたって規制遵守に積極的に取り組んでおり、複数の管轄区域での認可・登録を取得してきた実績を持つ。最近では、SESがマルタ金融サービス庁からVirtual Financial Assets Act(仮想金融資産法)に基づく認可を取得しており、スペイン、イタリア、リトアニアでの登録実績も有している。
CEO「メインストリーム採用の加速に期待」
チリーズのCEO兼創設者であるアレックス・ドレフス氏は今回の事前認可について、「このプリオーソライゼーション(事前認可)は、我々のコミュニティとユーザーにとって素晴らしいニュースです。MiCAは規制の明確性と消費者保護をもたらし、欧州全域でのメインストリーム採用を加速させるでしょう。我々のコミュニティは最高水準のセキュリティと透明性に値します」とコメントしている。
欧州スポーツファントークン市場のリーダーとして
チリーズは、FC バルセロナ、パリ・サンジェルマン、ユヴェントスなど世界的なスポーツクラブと提携し、ファントークンを通じたファンエンゲージメントプラットフォーム「Socios.com」を運営している。今回のMiCA認可取得により、より強固な規制基盤の下でサービス拡張が可能となり、欧州スポーツファントークン市場でのリーダーシップをさらに強化することが期待される。
正式認可の取得後には、ライセンス範囲の詳細や顧客保護措置に関する追加情報が公開される予定だ。