カルダノ財団、ブラジル最大の国営IT企業と技術協力契約を締結

JinaCoin編集部
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ブロックチェーンで行政のデジタル化を加速

ブラジル最大の国営IT企業「Serpro(セルプロ)」は6日、カルダノ・ブロックチェーンの普及と標準化を推進する「Cardano Foundation(カルダノ財団)」と技術協力契約を締結したと発表した。この提携は、ブラジルの公共部門におけるブロックチェーン技術の導入を促進し、業務プロセスの効率化や詐欺防止を強化することを目的としている。

今回の提携により、セルプロの専門家は、カルダノ財団が提供する「Cardano Academy(カルダノ・アカデミー)」プログラムを受講し、ブロックチェーン技術の専門知識を深める機会を得る。また、同プログラムのコースは無料で提供され、修了者には国際的に認められた認定資格が授与される予定だ。さらに、ブロックチェーン技術の応用研究、デジタルインフラの開発、政府サービスへの統合も推進される見込みだ。

セルプロの社長顧問であるクレベル・ペレイラ・ドス・サントス氏は、「これはセルプロにとって教育目的での国際機関との初の提携であり、ブラジルの公共部門におけるブロックチェーン技術の導入強化に重点を置く戦略的な違いがある」とコメントした。

Serproのブロックチェーン活用実績

セルプロはラテンアメリカにおけるブロックチェーン技術の先駆的存在であり、2020年にはメルコスール諸国の税関を接続し、貿易データを自動的かつ安全に交換するネットワーク「bConnect(ビーコネクト)」を開発した。

また、南ブラジル最大の銀行「Banrisul(バンリスル)」と協力し、エンタープライズ向けに設計されたオープンソースのブロックチェーン・クライアント「Hyperledger Besu(ハイパーレッジャー・ベス)」を活用した独自ブロックチェーンを立ち上げ、ガバメントクラウド上でのスマートコントラクトのテストを実施。これらの取り組みは、ブラジルの中央銀行デジタル通貨(CBDC)「Drex(ドレックス)」の実装に向けた重要なステップとなっている。

戦略的パートナーシップの拡大

カルダノ財団は、ブラジルでの事業拡大を進めており、セルプロに加えてブラジルの国営石油企業「Petrobras(ペトロブラス)」とも提携している。ペトロブラスの従業員4万人以上を対象に、カルダノ・アカデミーを通じたブロックチェーン教育を提供することが決定している。

この提携は、ブラジルにおけるブロックチェーン技術の活用を新たな段階へと引き上げる重要な一歩となる。セルプロの持つ公共分野での豊富な経験とブロックチェーン技術が融合することで、行政の透明性向上や業務効率化が期待される。今後、ブロックチェーン技術がどのように政府サービスに組み込まれ、国民の利便性向上につながるのか、引き続き注目したい。

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