米カリフォルニア州知事室の発表によると、ギャビン・ニューサム知事は27日(現地時間)、州の公職者による暗号資産(仮想通貨)ミームコインの発行を禁じる州法案「AB 2409」に署名した。2027年1月1日以降に公職者が発行・提携したミームコインについては、暗号資産サービス事業者が州民向けに扱うことも禁じる。海外メディアは、公職者のミームコイン発行を禁じる米国初の州法と報じている。
公職者の発行禁止と事業者への取り扱い制限
AB 2409は、アベリノ・バレンシア州下院議員(民主党)が2月20日に提出した法案だ。8月26日に上下両院で可決され、報道によると採決はいずれも反対ゼロだった。条文が定める規制は、次の2つである。
| 対象 | 規制の内容 |
|---|---|
| 州・地方の公職者、一部の公務員 | ミームコインの発行を禁止 |
| 暗号資産サービス事業者 | 2027年1月1日以降に発行され、連邦・州・地方の公職者が発行または提携するミームコインを、州民向けに販売・購入させることを禁止 |
公職者には、州議会議員を含む州・地方の選出職や任命職のほか、諮問権限しか持たない機関も含む政府の委員会などのメンバーが含まれる。公務員は、所属する組織の入札や契約について決定権を持つ職員に限られる。
ミームコインは、ネット上のミームや著名人、キャラクター、時事などとの結びつきを主な訴求点とし、価値が主に大衆の関心や投機、コミュニティの盛り上がりから生じる暗号資産と定義された。発行は、宣伝の有無を問わず、一般向けに購入や交換ができる状態にすることと定義されている。
違反への対応は民事訴訟で、刑事罰は設けていない。州司法長官が差し止めを求めて提訴でき、得た利益の返還も請求できる。公職者の発行禁止については、地方検事や市・郡の法務官も同じ権限を持つ。
トランプ氏のミームコインは対象外
知事室は発表のなかで、ドナルド・トランプ大統領のミームコイン「TRUMP(トランプコイン)」を名指しで批判した。報道を引用し、同コインを購入した約100万人が30億ドル(約4,700億円)超を失った一方、大統領は約6億3,600万ドル(約1,004億円)の利益を得たとしている。
ただし、トランプ氏のミームコインは今回の法律の規制対象にならない。発行禁止の対象は州・地方の公職者で、連邦の公職者は含まれない。事業者への取り扱い制限は連邦の公職者も対象とするものの、2027年1月1日以降に発行されたコインに限られ、2025年1月に発行された同コインは該当しない。
知事室は、公職者の肖像や画像を使ったミームコインの上場を禁じる法律と説明している。一方、条文上の要件は、公職者自身が発行したか、公職者と提携して提供されたかどうかである。
暗号資産犯罪の対策法にも署名
ニューサム知事は同日、AB 2409を含む11本の法案に署名した。暗号資産関連では、デジタル資産を使ったマネーロンダリングを対象とするSB 1208(ティム・グレイソン州上院議員)が含まれる。
知事室によると、暗号資産詐欺の被害者への損害回復の指針や、国際的な犯罪組織から暗号資産を押収する法的手続きも整備した。残る法案は、チケットの転売規制や個人情報の保護といった消費者保護のほか、ロビイストの倫理や選挙に関するものだ。
関連銘柄:
TRUMP
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.8円)



