国内デジタルマーケティング企業の「バリュークリエーション株式会社(東証グロース:9238)」は14日、保有していたビットコインを全額売却し、営業外収益として5,200万円の売却益を計上することを発表した。売却後、暗号資産(仮想通貨)の保有残高はゼロとなった。売却理由について同社は「保有資産の効率化を図るため」と説明している。
追加購入計画を取りやめ、全額売却に至る
発表当日、代表取締役社長の新谷晃人氏は自身のX(旧Twitter)で「ビットコイン!特別利益を、ありがとう!」と投稿。短期的な投資で得た利益を確定させた喜びを率直に示した。
同社は2025年3月以降、余剰資金を活用して短期的な資産運用の一環としてビットコインの取得を開始。当初は「次の事業投資までの一時的な運用手段」と位置付け、取締役会で購入を決議し、段階的に実行してきた。
バリュークリエーション株式会社のビットコイン購入・売却履歴
初回購入と3回の追加購入を経て累計で約30.38 BTC(総額4億円)を保有していたが、7月15日の追加購入決議からわずか1カ月足らずで全額を売却。長期保有ではなく、利益を確実に確定させる形で取引を終えるとともに、当初の保有方針は事実上撤回された。
回 | 実行日 | 区分 | 金額(円) | 枚数(BTC) | 単価(円) |
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1 | 2025/3/17 | 初回購入 | 100,000,000 | 8.0243 | 12,463,333 |
2 | 2025/3/31 | 追加購入① | 100,000,000 | 7.8191 | 12,794,550 |
3 | 2025/4/16 | 追加購入② | 100,000,000 | 8.1410 | 12,281,700 |
4 | 2025/6/4 | 追加購入③ | 100,000,000 | 6.39999 | 15,625,900 |
売却 | 非公表 | 全額売却 | −334,499,374 | -22.36009 | 17,152,300 |
同社の判断は、短期間で成果を確実に回収する柔軟さを示す一方、長期的な値上がり益を手放す形ともなった。マーケットの上昇基調が続く中での撤退は、機動力を示す一方で、やや惜しい決断でもあった。