ビットコインは日本時間7日に最高値を更新したが、9月後半からほぼ一方通行で上昇してきたため、利確売りが先行し調整局面を迎えている。また、マクロ要因でも仮想通貨に逆風が吹いており、ビットコイン・アルトともに上値が重い展開。一方、BNBチェーン関連銘柄は非常に強いパフォーマンスを見せている。
BTC一時調整も12万ドル付近に強いサポート 機関投資家が買い支えか

ビットコインは日本時間7日午前3時に12万6,000ドルを突破し史上最高値を更新したが、その後は利益確定やマクロ要因の逆風を受け調整局面へ。一時は12万ドルを下回ったが機関投資家からの流入を受けて反発。サポートラインの底堅さが確認されれば再び上値を目指す展開も十分に考えられる。

12万ドル台のサポート要因としては機関投資家によるETF購入の影響が大きい。下落局面でも8日に4億4,070万ドル(約673億1,692万円)、9日に1億9,780万ドル(約303億円)の純流入があり、個人投資家の動きとは対照的に多くの機関投資家は強気姿勢を維持を維持しているようだ。
ただ、6日の12億520万ドル(約1,840億9,430万円)流入から日を追うごとに買い圧が弱まっているため、12万ドルサポートラインへの過信は禁物だ。
BTCドミナンス低下も主要アルトへの資金流入は限定的 中堅コインが堅調

ここしばらく上昇を続けていたBTCドミナンスは9日を境にやや下落トレンドに転換。しかし、イーサリアムやXRPなどの主要アルトに資金が流入している印象は乏しく、今週は弱気な値動きを継続。
一方、今月に入り大きく上昇しているBNB関連の銘柄が大きな存在感を示している。

BNBチェーンをベースに、投資家のプライバシー保護を重視したプロジェクトを展開している「ZEC」は先週日曜日から現在までに約331%の大幅上昇。

また同チェーンのAI銘柄「COAI」は今週月曜日から急激に上昇。最安値から約5,000%という驚異的なパフォーマンスを見せた。
この流れから、ビットコインから主要アルト、そして中堅銘柄へという資金の移動が見えてくる。BNB関連銘柄の動向には今後も注目だ。
高市氏アベノミクス再開で円安加速、仮想通貨に逆風 FOMC利下げ期待と拮抗
4日に自民党総裁として選出された高市早苗氏による「アベノミクス再開」宣言を受け、ドル円は一時153円を突破。為替市場への大きな資金移動が仮想通貨にとって強い逆風となり、現在の弱気な値動きにつながっている。また米政府閉鎖の長期化により、政策金利を左右する雇用統計の発表が延期され、今後の展開を測る材料が不足している点も上値を圧迫する要因の一つだ。
ただ、9日午前3時に発表されたFOMC議事録によると、多くの委員が今後の追加利下げに前向きとのことで、為替市場への資金流出と利下げ期待による買い支えが拮抗している状況だ。今後焦点となるのは、15日発表予定の9月消費者物価指数(CPI)だが、雇用統計と同じく延期されるようならば、調整が長期化する可能性も。
全体的に仮想通貨市場にとってポジティブな材料が乏しく、この週末は慎重な値動きになりそうだ。ただ、取引量が少なくなるほど急な価格変動も起こりやすくなるので、週をまたいでポジションを保有する場合は利確・損切の設定を忘れずに行いたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.75円)