小口投資家の撤退が進む一方で増える大口保有
オンチェーンデータ分析プラットフォーム「Santiment(サンティメント)」は27日、10 BTC以上を保有するビットコインウォレットの数が、3月12日以来の高水準に達したと報告した。市場の価格変動が続く中、大口保有者が着実に買い増しを進めていることが明らかになった。
一般的に、暗号資産(仮想通貨)市場では、1,000 BTC以上を保有する超大口投資家を「クジラ(Whale)」、10 BTC〜1,000 BTC程度を保有する大口投資家を「シャーク(Shark)」と呼ぶ。今回のサンティメントの分析では、「クジラとサメ(whale&shark)」をまとめて「賢い資金(smart money)」と呼び、その動向に言及した。
サンティメントは、「市場が不安定な中、賢い資金は、ほとんどの個人投資家のパニック売りサイクルで蓄積を進めてきた」と分析している。
サンティメントは6月20日に、大口ウォレットが資産を蓄積する一方で、小口の個人投資家が市場から撤退していると指摘していた。
今回のデータは、その傾向が加速していることを裏付けるものとなる。
市場分析において、一般的に、大口投資家の動向は将来の価格を占う上で重要な指標とされることがある。豊富な資金力と情報を持つとされる彼らが、市場の短期的な価格変動に左右されずに買い増しを進めるという行動は、その資産の長期的な価値を見据えたものと解釈されるからだ。
このような大口と小口の対照的な動きは、過去の事例では、市場の底が近い、あるいは次の上昇に向けたエネルギーが蓄積されているサインと見なされることもあり、今後の市場の方向性を考える上で興味深いデータと言えるだろう。
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