オンチェーン分析プラットフォームCryptoQuant(クリプトクオント)のアナリスト、Amr Taha氏は11日、ビットコインの供給構造に明確な変化が生じていると報告した。バイナンスへのクジラ(大口保有者)流入が急減する一方、長期保有者による買い増しが加速しており、弱い保有者から強い保有者への供給移転が進行しているという。
クジラ流入が30億ドル割れ──売り圧力の低下を示唆
バイナンスへのクジラ流入(30日合計)は29.6億ドルまで低下し、2025年6月以来初めて30億ドルを下回った。2月中旬には80億ドル超に達していたことを考えると、約2か月で3分の1以下に縮小した計算になる。
一般的に、クジラの取引所流入は売却準備を示唆する指標とされる。流入額の急減は、大口保有者が現時点で積極的に売却する意思がないことを示している。

供給の受け手となっているのが長期保有者(LTH)だ。LTHの実現時価総額変化(30日間)は4月9日時点で490億ドルに達し、3月26日以来2度目のこの水準への到達となった。長期保有者が下落局面で積極的に買い増しを行っていることを裏付けるデータである。
対照的に、短期保有者(STH)の実現時価総額変化(30日間)はマイナス540億ドルまで落ち込んでおり、3月2日以降で3度目のマイナス500億ドル超を記録した。短期保有者が損失を抱えたまま市場から退出している構図が鮮明である。

Taha氏は「全体として見ると、弱い保有者が依然として分配を続ける一方、長期保有者が供給を吸収するために戻ってきていることをデータは示している」と分析した。
こうした「弱い手から強い手への供給移転」は、過去のビットコイン
BTC市場で底値圏の形成期に繰り返し観測されてきたパターンである。短期保有者が損失確定で退出する一方、長期保有者が安値で買い集めることで売り圧力が枯渇し、その後の価格反転につながるケースが多い。2月には同じバイナンスへのクジラ流入が80億ドル超の高水準に達し、その後ビットコインは7万5,000ドル付近から6万ドル台前半まで下落した。現在はその売り圧力が大幅に後退した局面にある。
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