ビットコインは9日以降、底値圏から強い反発を見せているが、オンチェーンデータからも市場センチメントの改善、投資家需要の増加など、ポジティブな兆候が確認されている。
クジラの活発な買い需要を確認
オンチェーン分析企業クリプトクオントは10日、公式X(旧ツイッター)にて「クジラの需要が拡大している」との見解を投稿した。
ドルフィンウォレット(100〜1,000BTC)の蓄積は約17万3,983枚→約8万1,454枚へと半減したものの、大型クジラウォレット(1万BTC超)は約2万6,877枚→約6万2,896枚へと倍増。一方中型クジラウォレット(1,000~1万BTC)の売り圧は約18万9,905枚→約12万5,271枚に緩和されたとのこと。
大型クジラの需要増と中型クジラの売り圧低下は、市場全体のセンチメント改善を示す強いポジティブシグナルとされる。
また、クリプトクオント社が提供するBitcoin Price and Apparent Demand(ビットコインの価格と見かけの需要)のデータは、ビットコイン需要の急激な増加を示している。

この指標によると、ビットコインの純購入需要は11月6日の-7万9,085枚から、8日は+10万8,582枚へと劇的に増加。マイナスからプラスへの反転は、新たな機関投資家の資金流入を示唆するものであり、大きなトレンド転換や強力なサポートライン形成の兆しとされている。
8日は10万ドル付近を再度試したタイミングでもあることから、この価格帯を機関投資家が強力なサポートとして意識している可能性が高い。
恐怖指数改善と共に投資意欲も拡大
クリプトクオントは、大手仮想通貨取引所バイナンスの総準備金が、過去最高水準である1200億ドル(約18兆5,200円)に達し、USDT ERC20の保有額は過去最高の428億ドル(約6兆6,061億円)に達したと指摘。
取引所の準備金増加は投資意欲の拡大を示唆しており、市場センチメント次第では仮想通貨市場への大きな資金流入が期待できる。
また、仮想通貨データプラットフォームのコインマーケットキャップが提供するFear and Greed(恐怖・強欲指数)は、先週記録した20から現在は31にまで回復。

一時は「極度の恐怖」の水準に迫っていたが、現在は「恐怖」状態を示しながらも中立に近づいており、市場センチメントの回復が顕著になってきている。
現時点ではまだ強気相場再開とまでは言えないが、オンチェーンデータ上では「弱気相場に対する恐怖の緩和」および「底値固め」が進んでいる。大きなトレンド転換のサインがいつ点灯するかわからない状況なので、今後も機関投資家やクジラウォレットの動向には細心の注意を払っていきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=154.35円)




