アーサー・ヘイズ「量的緩和再開すればビットコインは真の安全資産へ」

ヤマダケイスケ
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画像はArthur Hayes氏公式mediumより引用

弱気相場は一時的、長期的な目線を維持

暗号資産(仮想通貨)取引所「BitMEX(ビットメックス)」の共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏は23日、現在の金融情勢とビットコイン(BTC)についての見解を公式Xで示した。同氏は投稿内で、中央銀行による量的緩和の再開を示唆し、これがビットコインにとって「安全資産」としての地位を高めると強調している。

ヘイズ氏は投稿内で、量的緩和を「愛国的な義務」と比喩。自国の経済を支えるために、政府が紙幣を市場に供給しなければならない経済状況であることを皮肉混じりに指摘した。量的緩和で懸念される法定通貨価値の希薄化は、インフレをさらに加速させるリスクがある。同氏はこうした状況下において、政府や中央銀行からのコントロールを受けないビットコインが伝統的資産の代替手段として注目されるとみているようだ。

ヘイズ氏は以前にも、量的緩和がビットコインの価格高騰につながるとの予測を公にしている。同氏は16日から17日にかけて開催された日本銀行(日銀)の金融政策決定会合に言及。10日の投稿では、日銀が量的引き締めを先送りし、仮に再度緩和策を取れば「リスク資産は急騰する」との予測を示していた。

なお、日銀は政策金利を0.5%に据え置く一方、国債の買い入れを段階的に減らしていくと発表した。市場ではこれを量的引き締めの加速と受け止める見方が強まっている。

地政学リスクでも揺れ動くビットコイン

ビットコイン市場では地政学的リスクも無視できない。22日には、米軍がイランの主要核施設3箇所を攻撃したとの報道を受けてリスク回避の動きが加速。ビットコインは一時98,000ドル近くまで下落し、心理的節目である100,000ドルを割り込んだ。執筆時点では101,123ドルまで戻しているものの、長期目線では依然として弱気の価格推移が続いている。

ビットコインの価格チャート
出典:TradingView

こうした状況の中、ヘイズ氏は現在のビットコイン相場の弱さは一時的なものであり、ビットコインが今後「安全資産」としての地位を確立していくと見解を述べた。世界的な金融不安と地政学リスクが懸念される中、ヘイズ氏のこの長期的な視点に立った見解は、投資家の不安ムードが広がる市場にとって一種の清涼剤になり得るだろう。

今後の量的緩和政策の動向と地政学リスクの行方次第では、ビットコインの価格と市場評価は大きく変動する可能性がある。金融の新たな潮流の中で、ヘイズ氏の警鐘は投資家にとって市場を見つめ直すきっかけになるはずだ。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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