BTCは週末にレンジを形成した後、日本時間22日午前9時頃から勢いよく上昇を始め、一時は9万ドル付近のレジスタンスを試すなど、底堅い動きを見せている。オンチェーン上でも、底打ちを示唆するデータが複数出ており、今後の大きなトレンド転換が期待される局面だ。
2022年以来の強烈な売り圧力が底打ちを示唆
投資データ分析プラットフォーム、アルフラクタルのCEOであるジョアン・ウェッドソン氏は22日、自身のXで「ビットコインは現在、2022年以来で最も強い売り圧力にさらされている」と指摘した。
実際、添付されているオンチェーンデータからは、2022年の大暴落時と同水準の強烈な売り圧が確認できる。ただし、ウェッドソン氏は「このような極端な売り圧力は長続きしない可能性が高い」と分析した。「今回のような極端な売り圧は、その後の急反発、もしくは長期にわたるレンジ相場への移行を示唆する」と結論付けた。
オンチェーン活動も相場転換を示唆──クジラの先物需要がカギになるか
オンチェーンデータからは、底値形成を示唆する動きが複数確認されている。まず注目すべきは、Spot Average Order Size(現物平均注文サイズ)の動向だ。

現物平均注文サイズとは、点の色によってクジラの注文(グリーン)、個人投資家の注文(レッド)のどちらが優勢かを示す指標だ。グレーの点は双方の勢いが拮抗していることを示している。
10月後半から12月前半までは小口投資家の買いが優勢だったが、直近1週間はクジラによる現物買いが活発化している。2025年5月にも、同様の動きが見られた直後に大きくトレンド転換したが、今回もほぼ同じパターンが完成しつつある。
さらに、Spot Taker CVD(累積取引量デルタ)は、約1週間にわたり買い優勢を示しており、現物市場の強気姿勢が明確になってきた。

累積取引量デルタとは、現物取引における買い量(テイカー買い)と売り量(テイカー売り)の90日間分の累積から相場の方向性を測る指標で、グリーンは買い優勢、レッドは売り優勢、グレーは中立状態を示す。
前回の調整局面では、中立状態の維持から買い優勢へのシフトとともに、大きなトレンド転換が確認された。今回も約20日間の中立状態から、7日連続で買い優勢となっており、前回の相場反転時と同様のパターンが完成しつつある。
一方、先物市場は依然として小口投資家の影響下にある。

Futures Average Order Size(先物平均注文サイズ)を見ると、10月中旬から一貫して小口投資家の買いが優勢となっており、未だクジラが戻ってくる気配は見えない。
過去の反発局面では多くの場合、現物・先物の両市場において、クジラの動きが活発になっている。今後明確にトレンド転換するための条件として、先物市場におけるクジラによる活発な買いは、非常に重要なものとなるだろう。
ビットコインは現在、底形成を印象付ける値動きを見せているが、オンチェーン上でも大きな転換点の接近を示唆するデータが確認できる。大きな相場転換のサインを捉えるために、チャートやマクロ環境はもちろん、クジラの活動にも注視しておきたい。
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