透明なプロセスで市場の信頼性向上を目指す
暗号資産(仮想通貨)取引所大手の「Binance(バイナンス)」は26日、今後の上場・上場廃止に関する基準や方法をまとめたガイドラインを発表した。上場プロセスの透明化と、ユーザー保護・規制遵守を目的としたものだ。
公式発表(ソース)によると、バイナンスの提供する上場製品と評価基準が体系的に整理された。対象となるのは、初期段階プロジェクト向けの「Binance Alpha(アルファ)」、デリバティブ取引の「Binance Futures(先物)」、現物取引市場の「Binance Spot(現物)」の3種類で、それぞれ独自の基準が設けられている。
各市場の上場審査ポイント:
- Binance Alpha(アルファ)
- 新規トークン生成イベント(TGE)プロジェクト向けには、ユーザー数、ビジネスモデル、トークン配分設計、技術リスク、チーム構成などを審査。
- 既存プロジェクトは上記に加え、市場での流動性や価格の安定性も重視される。
- Binance Futures(先物)
- アルファ上場済みであれば、取引量、価格の安定性、規制遵守が主な評価項目。
- 未上場プロジェクトは、プロジェクト概要、トークノミクス、安全性、チーム体制などを総合審査。
- Binance Spot(現物)
- アルファまたは先物上場済みトークンは、取引量、価格安定性、トークン分配とアンロック健全性、規制遵守が評価基準。
- TGE段階トークンは、Launchpool、Megadrop、HODLer Airdropsなど初期施策の実績と基礎的健全性で審査される。
また、バイナンスは定期的に上場プロジェクトをレビューし、基準未達の場合は上場廃止(デリスティング)を実施するとしている。デリスティング基準は、チームとガバナンスの問題、市場パフォーマンスと取引活動の低迷、ネットワークや製品のセキュリティリスク、トークノミクスの重大な変更、規制遵守違反、不正行為など多岐にわたる。バイナンスはこれにより、ユーザー保護とエコシステムの健全性を確保するとしている。
この取り組みは、仮想通貨市場における信頼性と持続可能性を高めるうえで極めて重要である。明確な上場基準と厳格な監視体制は、イノベーションと投資家保護の両立を可能にし、業界全体の発展に寄与するだろう。
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