永続先物分散型取引所(Perp DEX)の「Aster(アスター)」は8日、9月17日に予定している独自トークン「ASTER」のTGE(トークン生成イベント)に合わせ、トークノミクスおよびエアドロップの詳細を公表した。
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コミュニティ還元と長期持続性を重視した設計
ASTERの総供給量は80億枚で、BNBチェーン上で発行される。トークンの主な用途は、ガバナンスの分散化、プロトコルの成長促進、参加者へのインセンティブ付与、長期的な持続性確保である。
配分はエアドロップ53.5%、エコシステムおよびコミュニティ30%、トレジャリー7%、チーム・アドバイザー5%、流動性・上場4.5%に分けられる。エコシステム枠はAPX アップグレードの割り当て、エコシステム パートナーシップ、および助成金のために予約されている。チーム向けトークンは1年間ロック後に段階的に解放され、トレジャリーはガバナンス承認を経て利用される仕組みだ。
また、プロトコル収益の一部を活用したASTERの買い戻し施策や、ガバナンス参加者への報酬配布も予定されており、トークン価値の安定化と分散型ガバナンスの活性化が意図されている。

エアドロップの詳細
TGEに合わせ、総供給量の8.8%にあたる7億400万枚がエアドロップ対象者に配布される。対象は①「Aster Spectra(ステージ0・1)」で「Rh」「Au」ポイントを獲得した参加者、②コミュニティ施策で「Aster Gems」を受け取ったユーザー、③ステージ1終了後に「Aster Pro」で取引してロイヤリティポイントを得たユーザーである。
請求は専用ページから行い、完了後はトークンが自動的に「Aster Spot」へ反映される。ガス代やウォレット承認は不要とされているが、偽サイトへの注意が呼びかけられている。請求期間は9月17日から10月17日までの30日間となっている。
エアドロップ枠のうち即時配布されるのは7億400万枚で、残余分は今後約7年間かけて段階的に放出される予定だ。未請求分を再びコミュニティに戻す仕組みも設けられており、長期的にユーザーへの還元を続ける設計となっている。
分散型永久先物市場では、「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」がすでに圧倒的なシェアを握っており、アスターは後発として厳しい競争環境に直面している今回のエアドロップはユーザー基盤を広げる契機となり得るが、それだけで市場構造を変えることは難しい。アスターが優位性を築くには、流動性の向上や、他のプロトコルにはない取引体験を提示できるかどうかが鍵となる。