Striveとマーケティング企業「Asset Entities」が合併
デジタルマーケティングやコンテンツ配信サービスを手掛ける「Asset Entities(アセット・エンティティーズ)」は7日、米資産運用企業「Strive Asset Management(ストライブ・アセット・マネジメント)」との合併を発表した。非課税でビットコインと株式を交換できる世界初のスキームを中核に据えた、公開取引型ビットコイン資産運用企業の設立を構想している。
今回の合併では、非上場企業が既存の上場企業と統合することで、迅速な公開市場への参入を可能にする「逆さ合併」という手法が用いられている。これにより、合併後の企業はNASDAQ(ナスダック)の上場の地位を維持。さらには株式や社債の発行を通じた容易な資金調達により、ビットコインの蓄積と活用を加速させる体制を整える形だ。
合併の目的としては、1株あたりのビットコイン保有量を最大化し、長期的にビットコインの市場パフォーマンスを上回る成果を目指すことにある。最終的には株主の価値最大化の実現を図る狙いだ。この目標達成のため、合併後の企業は株式の希薄化を抑えつつ、複数の方法でビットコイン保有量増加に向けた戦略を導入するとしている。
注目すべき取り組みのひとつが、投資家が保有するビットコインを同社株式と非課税で交換できるという機能だ。米国税法第351条を活用することで、投資家は含み益に対する課税を繰延べながら、ビットコインの株式転換が可能となる。これは従来にない画期的な試みとして、個人投資家や機関投資家からの注目を集めている。
また、過剰資産を保有する企業との合併を通じた割安な現金取得のほか、社内債券やデリバティブ取引の知見を活かし、高レバレッジを活用しつつ、独自の手法によるリスク管理にも取り組む姿勢が見られる。
今回の合併発表を受け、アセット・エンティティーズの株価は急騰。執筆時点で1株あたり3.39ドルと前日比で455.74%という驚異的な上昇を記録しており、市場での期待の高さが見てとれる。

アセット・エンティティーズCEOのアーシャ・サルカーニ氏は、「ストライブとのパートナーシップにより、企業財務におけるビットコイン戦略の未来を切り開いていけることを非常に嬉しく思う」とコメント。オンラインコミュニティの構築や運用に強みを持つ同社が、ストライブの株主に対しても新たな価値を提供できると強調した。
今回の両社の合併、ならびにビットコイン資産運用企業の設立は、楽観的なムードが広がる暗号資産(仮想通貨)市場にとって新たな追い風となる可能性がある。合併後の企業が描くビットコイン主導の財務戦略がどれほど既存の金融モデルに変革をもたらすのか、今後の動向に注目していきたい。
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