分散型クラウド「アカシュ」、2025年のロードマップ公開 主権AIエージェントの実現目指す

JinaCoin編集部
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集中から分散へ─アカシュが目指す次世代クラウドの未来

分散型クラウドプラットフォームを提供する「Akash Network(アカシュ・ネットワーク)」は14日、2025年以降に向けた新たなロードマップを発表した。生成AIの急激な発達によるクラウドコンピューティングの需要増加に対応し、次世代のクラウドサービスを実現するためのビジョンを提示した。

2015年にスタートしたアカシュは、2020年に最初の「Mainnet 1」を立ち上げ、ベースレベルの基盤セキュリティを確立。2021年には、完全な自己管理型クラウドアクセスを提供する「Mainnet 2」を公開した。2022年には高性能ストレージ機能やIP検出技術を導入し、2023年にはAIユースケースに対応したGPUサービスを提供した。2024年には、オンチェーン収益を10倍以上に増加させた。

2025年以降のロードマップでは、さらなる革新と普及の加速を目指している。特に、次のような重点分野に注力する。

  1. 主権AIエージェントの実現
    アカシュは、AIエージェントが分散型ネットワーク上で完全に主権を持って動作するための基盤を提供する。今後公開されるプライバシー機能と組み合わせて、AIアプリケーションに安全なホスティング サービスを提供する。
  2. オンチェーンプロバイダーインセンティブ
    2024年の試験的導入を踏まえ、2025年にはインセンティブプログラムを本格化。供給の増加と需要の直線的成長を促進し、ネットワーク効果を最大化する。
  3. ソブリンサービスの普及
    新たなサービスプロバイダーを誘致し、エコシステム全体を活性化する「マネージドサービスマーケット(MSM)」を推進することで、ソフトウェア開発者が収益を獲得できるようサポートする。
  4. 開発者エクスペリエンスの向上
    開発者がアカシュとの統合をスムーズに行えるよう、技術的なハードルを低減する。これにより、採用の拡大が期待される。
  5. Akash at Homeの実現
    アカシュは、個人向けAIが、プライバシーとセキュリティのためにホームサーバーで実行される未来を予測している。家庭の余剰コンピューティングパワーを活用し、アカシュ上で個人向けAIが動作することを目指している。

アカシュの取り組みは、クラウドコンピューティングという極めて集中化された分野に、新たな風を吹き込む試みである。分散型ネットワークを基盤とする彼らのアプローチは、単なる技術革新にとどまらず、デジタル社会全体の構造そのものを見直す挑戦と言える。ロードマップに示された取り組みは、業界の未来を方向付ける可能性があり、今後の動向が注目される。

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