化粧品・健康食品事業を展開する「株式会社フォーシーズHD(東証スタンダード:3726)」は27日開催の取締役会で、シンガポールの「THUNDERBOLT ADVISORS PTE. LTD(サンダーボルト・アドバイザーズ)」との間でビットコイン財務戦略およびWeb3.0事業に関するアドバイザリー契約を締結することを決議したと発表した。同日付で契約を締結し、事業を開始する。
時価総額の5-10%規模で資金調達、90%をBTC購入に充当
契約では、現在の時価総額の5~10%を目標とした資金調達または資本戦略を検討し、調達資金の90%をビットコイン購入に、10%を事業資金に充てる計画を策定。ビットコインを企業財務資産として組み入れ、継続的な購入・運用を通じて財務基盤の強化を目指す。
同社は7月11日に「Web3.0を活用したシステム・金融事業」の開始を発表しており、今回の契約は既存の美容・健康事業と再生可能エネルギー事業におけるWeb3.0技術活用の加速と、ビットコインによる資産運用拡大を目的としている。
3段階のロードマップで段階的にBTC財務戦略を展開
戦略実行は3つのフェーズに分けて推進される:
フェーズ1(1-3か月目): 包括的なビットコイン財務戦略の策定と第1回トランシェの購入。市場環境に応じて数週間から数か月にわたり複数回に分割して実施。信頼性の高いカストディ・ソリューションと実行ブローカーを選定。
フェーズ2(4-6か月目): 継続的なビットコイン取得のための資金調達を実行し、国内外法人への投資を開始。購入規模は約300万~1,000万米ドルを想定。
フェーズ3(7-12か月目): 日本国内でビットコイン財務戦略を採用する企業として確固たる地位を構築。グローバル主要資本市場の1~2社について、ビットコイン財務戦略を有する企業株式の保有を目指す。
独占的契約で違約金20万ドル、優先購入権も設定
サンダーボルト社は同社のビットコイン財務戦略に関する独占的コーポレートアドバイザーとして、ビットコイン取得・運用のコンサルティング、資金調達活動支援、投資家募集を担当。
契約は独占的なため、事前書面同意なしに第三者との活動・取引に関与した場合、同社はサンダーボルト社に20万ドルの違約金を支払う義務を負う。また、契約期間中および契約終了後1年間は、サンダーボルト社がビットコイン財務戦略における資金調達で優先的購入権を保有する。
包括的リスク管理体制で安定運用目指す
ビットコイン投資に伴う5つの主要リスクに対する対策も明示
- 価格変動リスク: 購入を時価総額10%の90%に限定し、短期変動に左右されない運用ルールを策定
- 規制・法制度リスク: 最新法規制動向のモニタリングと専門家連携による迅速対応体制
- 会計・税務リスク: 監査法人・税理士との連携による処理ルール確定
- サイバーセキュリティリスク: コールドウォレット基本、マルチシグによるアクセス制御
- 流動性リスク: 複数取引所利用による分散化
契約相手のサンダーボルト社は2024年11月設立の新興企業で、資本金1,000ドル、代表者Yang Lu氏が100%出資。金融とデジタルアセット分野の専門知識を有し、ビットコイン投資・Web3.0経営コンサルティングを主事業とする。
今期連結業績への影響は現在精査中で、確定次第速やかに開示するとしている。