リップル、XRPL EVM サイドチェーンのメインネット稼働開始──イーサリアム互換でDeFi展開加速

JinaCoin編集部
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クロスチェーンDeFiの新時代──XRPが流動性ハブとして機能強化

米Ripple(リップル)は30日、「XRPL EVM Sidechain(XRPL EVMサイドチェーン)」のメインネットが稼働したと発表した。開発とテストに数年を費やされたこのサイドチェーンは、Ethereum Virtual Machine(EVM)に対応し、開発者がXRPLの高い信頼性と流動性を活用しながら、EVM互換の分散型アプリケーション(dApps)を構築・移植・展開できる新たな環境を提供する。

XRPL EVMサイドチェーンは、EVM互換の分散型アプリケーション(dApps)を、既存のSolidity(ソリディティ)、MetaMask(メタマスク)、Hardhat(ハードハット)といったツールを用いて構築・展開できる環境を提供する。また、独自のコンセンサスアルゴリズム「Proof of Authority」により、イーサリアムより高速で低コストな環境となっている。

このサイドチェーンは、Axelar(アクセラ)ブリッジを通じてXRPLと接続されており、ネイティブトークンであるXRPをガス代として使用可能だ。開発者は、600万以上のXRPLウォレット保有者や豊富な流動性に直接アクセスでき、実用性の高いアプリケーションを展開しやすい環境が整っている。

また、XRPが現在、時価総額で第3位の暗号資産(仮想通貨)である点も見逃せない。これにより、XRPを基盤にしたスマートコントラクトやdAppsの開発には、他のチェーンにないスケールと実需のチャンスが広がっている。膨大な流動性と既存の市場規模は、開発者にとって商業的・技術的な優位性を提供する。

共同開発パートナーであるPeersyst(ピアシス)のCEOであるフェラン・プラット氏は、「これはゴールではなく始まりだ。XRPがマルチチェーン世界をシームレスに流通する新たな時代の幕開けだ」と述べ、今後の拡張性と相互運用性への意欲を示した。

このプロジェクトにはリップル、ピアシスを中心に複数の企業が参画している。既に以下のようなプロジェクトが開発に着手しており、XRPLユーザーは新たなEVMウォレットを用意せずとも、直接利用することができる。

インフラ提供パートナー

  • Band Protocol(バンド・プロトコル):リアルタイム価格オラクル
  • Grove(グローブ):分散型RPCインフラ提供
  • Axelar(アクセラ):クロスチェーン資産の転送を担当
  • Squid(スクワッド):公式クロスチェーンUI

開発中のアプリケーション例

  • Strobe(ストローブ):DeFiレンディングと担保借入
  • Securd(セキュアード):パッシブインカム型のレンディング・プロトコル
  • Vertex(ヴァーテックス):デリバティブ取引プラットフォーム

さらに今後は、35以上のブロックチェーンと200以上のアプリを持つWormhole(ワームホール)の統合も予定されており、マルチチェーン間のインタラクションが一層強化される見通しだ。

今回のローンチは、XRPLにとって過去12年間の運用実績と高い信頼性を活かしつつ、開発者にスマートコントラクト開発の自由度を提供するものだ。600万以上のウォレット保有者を抱えるXRPLの規模と信頼性は、今後のDeFiやトークン化サービスの発展に向けた土台となる。

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