ドバイの暗号資産規制当局VARA(Virtual Assets Regulatory Authority)は31日、域内の暗号資産(仮想通貨)取引所サービス提供者(VASP)が遵守すべき包括的なルールブック「Exchange Services Rulebook」を公表した。本規則は、市場操作の禁止を含む具体的な行動規範を定め、投資家保護の枠組みを強化することを目的としている。
市場操作の禁止とともに厳格な上場審査を規定
このルールブックは、ドバイを安全で信頼性の高い暗号資産ハブとして確立するため、市場の公正性と透明性の確保を主眼に置いている。規則は取引所の運営体制から資産の上場審査、市場行動にいたるまで、事業のあらゆる側面を網羅する内容だ。
市場の健全性を維持するため、以下の主要な市場行動規則が定められた。これにより、相場操縦や不正取引といった行為が厳しく取り締まられる方針である。
- 市場操作の禁止:価格の人為的つり上げや、誤解を招く取引の禁止
- インサイダー取引の禁止:未公開の重要情報を利用した取引および不適切な開示の禁止
- 市場濫用の防止と検出:不適切な注文を監視・報告するためのシステム整備
- 市場の健全性確保:透明性の高い価格形成を維持するための措置
投資家保護の観点からは、資産管理に厳格な規定が設けられた。取引所は、顧客から預かった法定通貨および暗号資産を自己資産とは明確に分別して管理する義務を負う。これにより、事業者の破綻時にも顧客資産が法的に保護される仕組みを構築する。
あわせて、暗号資産の上場審査も厳格化される。上場に際しては、プロジェクトの技術、ガバナンス、関連リスクなどを評価する詳細なデューデリジェンスが不可欠となる。投資家が適切な判断を下せるよう、プロジェクトの概要を記したホワイトペーパーの確認も上場の前提条件とされた。
ドバイがグローバルな暗号資産ハブを目指す中、VARAによる厳格な規制整備は大手事業者を呼び込む上で重要な一歩となるだろう。市場の透明性と安全性が高まることで、ドバイの市場全体の信頼性向上につながることが期待される。
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