トランプ米大統領は、27日に開催されるASEAN関連首脳会議に合わせたアジア歴訪の一環として、28日には日本の高市早苗首相、30日には韓国で中国の習近平国家主席と会談をする予定。一方で、調整を続けていたロシアのプーチン大統領との会談は中止となった。
トランプ氏は習近平氏との会談について「うまくいき、皆が満足することになると思う」と前向きな姿勢を示しており、マーケットは米中貿易摩擦を巡る懸念が和らぐのではないかとの期待感からドル買いが進行。24日12時時点は1ドル152円台後半のドル高円安で推移している。
加えて、24日夜には米消費者物価指数(CPI)が発表される予定。ただし、米政府機関の一部閉鎖が続く影響で経済指標の発表延期が相次いでおり、米消費者物価指数についても閉鎖の影響により完全なデータが揃っていない可能性がある。市場予想と大きく乖離する結果となる可能性もあるので、ドル円の急変動には注意したい。
ドル円相場|米中首脳会談と所信表明演説が材料となり上昇を継続

ドル円はレンジ相場を上抜けながらジリジリと上昇を継続。米中首脳会談の期待感に加えて、目下では高市早苗首相の所信表明演説で「責任ある積極財政」の下で進める具体的な経済対策に注目が集まっており、ドル高円安の動きを支えている。
テクニカル面では、綺麗なボックス相場を上抜けるような展開を継続中。直近では152.20円ー152.40円がサポートラインとして機能しているため、基本的には上昇トレンドを見込んだ押し目買いを仕込んでいくような戦略が適しているだろう。
ただし、米消費者物価指数の発表を控えているため、全体的な値動きは控えめ。活発化するのは米消費者物価指数が発表される日本時間21時30分以降と見られるため、発表後の動きを見てからエントリーする判断も必要となる。なお新政権誕生やトランプ大統領のアジア歴訪などが土日も値動きの材料となりえるため、ポジションの持ち越しは控えたい。
ゴールド相場|方向感なくレンジ相場に突入

ゴールドは21日ー22日の暴落後から方向感のない動きが続いている。安値こそ切り上げてはいるものの上値となる1トロイオンス4,160ドル台を抜けきれず、細かいレンジ相場に突入している形だ。
現在のゴールド価格は、短期的にはバブルが崩壊して適正価格に戻ったとみられるが、長期的には買い場であるとも考えられる。二番底が来るという論争もあるようだが、長期投資をするならばいつ来るか分からない二番底を待つのではなく、二番底の資金は確保しつつも現在の安値圏で仕込んでしまっても良いだろう。
数十年以上に渡って信頼できる現物資産として価格上昇を続けてきたゴールド。今回の暴落でつまずくような銘柄ではないはずだ。
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