暗号資産(仮想通貨)ウォレット大手のTrust Wallet(トラストウォレット)が提供するブラウザ拡張機能において、資金が不正に引き出される被害が報告されており、同プロジェクトは26日、利用者に対して最新バージョンへのアップデートを急ぐよう呼びかけている。
バージョン2.68利用者に緊急アップデート呼びかけ
トラストウォレットの被害は、暗号資産の調査で知られるZachXBT氏の指摘によって判明したと見られる。
同氏は26日、数百人のトラストウォレット利用者のアドレスから資金が流出しており、少なくとも計600万ドル(約9億3,750万円)相当の暗号資産が盗まれたと指摘している。
流出先はEVM系ネットワーク、ビットコイン、ソラナなど複数のブロックチェーンに及ぶ。ZachXBT氏は「トラストウォレット側に過失があると判断された場合、すべての被害者への補償を望む」と言及し、被害が確認された複数のウォレットアドレスのリストを公開した。
同日、トラストウォレットは、ブラウザ拡張機能のバージョン2.68にセキュリティインシデントを確認したと発表した。同プロジェクトは、バージョン2.68を利用しているすべてのユーザーに対し、直ちに当該の拡張機能を無効化し、Chromeウェブストアから最新のバージョン2.69へアップグレードするよう求めている。
公式発表によると、今回の問題の影響を受けるのはブラウザ拡張機能の特定のバージョンのみであり、モバイルアプリのみを利用しているユーザーや、他のバージョンの拡張機能を利用しているユーザーには影響はないとしている。
同チームは現在、問題への対応を進めており、今後も随時アップデート情報を共有するとしている。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.25円)




