米国産業とデジタル資産を融合したETF構想
米国のフィンテックブランド「Truth.Fi(トゥルースファイ)」を運営する「Trump Media and Technology Group Corp(トランプメディア・アンド・テクノロジーグループコーポレーション、以下TMTG)」は24日、暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォーム「Crypto.com(クリプトドットコム)」との提携を発表。この提携を通じて、米国の経済成長を支援するETF(上場投資信託)を2025年中に立ち上げることを計画している。
このETFは「メイド・イン・アメリカ」に焦点を当てており、国内の多様な産業と、デジタル資産や証券を組み合わせた構成となる見込みだ。Crypto.comはETFのバックエンド技術を担当。顧客資産を安全に管理するカストディの提供のほか、ビットコイン(BTC)や同社が開発したブロックチェーン「Cronos(クロノス)」のネイティブトークン(CRO)など、ETFの構成資産として見込まれる仮想通貨の提供を担当する。
また、このETFはCrypto.comのブローカーディーラー部門である「Foris Capital US LLC(フォリスキャピタル)」を通じて提供される予定だ。提供地域としては、米国をはじめヨーロッパやアジアなどが予定されており、ユーザーは既存プラットフォームおよび証券会社を通じてETFにアクセスできるようになるという。
TMTGは今後、ETFに加えて個別管理口座(SMA)の立ち上げも計画しており、金融サービスおよびフィンテック分野における事業拡大を進める方針だ。これらのETFやSMAに対しては、TMTGが自社資金から最大2億5,000万ドルを投資する予定であり、その資産は大手金融機関「Charles Schwab(チャールズ・シュワブ)」で保管される計画となっている。
TMTGのCEO兼会長のデビン・ヌネス氏は、「目覚めたナンセンスや政治的なポーズに妨げられることなく、米国経済の強化に取り組む企業を組み込んだ革新的なファンドを目指している」とコメント。同氏は続けて、「投資家は米国の優れた企業を支援する新たな選択肢を得られるようになる」と強調している。
一方、Crypto.comのCEO兼共同創業者のクリス・マルサレク氏は、このETFが、同社アプリを通じて世界中の1億4,000万人以上のユーザーに提供されるようになると述べた。この仕組みにより、ETFの流動性の向上はもちろん、個人投資家のアクセシビリティが大きく高まることが期待される。
TMTGとCrypto.comの提携による新たなETFの登場は、米国の経済成長を支えるとともに、仮想通貨市場のさらなる発展に貢献する可能性が高いだろう。具体的なETFの概要や今後の展開戦略の発表に注目が集まる。
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