テラ創設者ド・グォン氏、連邦裁判所に出廷──最長で禁固25年の可能性

伊藤 将史
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画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2022年に発生した暗号資産(仮想通貨)「TerraUSD(テラUSD)」と「Luna(ルナ)」の暴落、いわゆる「テラショック」の首謀者とされる「Do Kwon(ド・グォン)」氏は12日、ニューヨークの連邦裁判所に出廷し、詐欺罪を含む2つの罪状について罪を認めた。

法定で詐欺罪を認め、12月に量刑言い渡しへ

シンガポールに拠点を置く開発企業「Terraform Labs(テラフォーム・ラボ)」の共同創設者であるグォン氏は、詐欺の共謀と通信詐欺の2つの罪状について答弁を行った。

検察側は、グォン氏が2021年にテラUSDの価格が1ドルを割り込んだ際、その価格を回復させた方法について投資家に虚偽の説明をしたと指摘。同氏は「コンピューターのアルゴリズムによって価格が回復した」と公言していたが、実際には第三者の取引会社に秘密裏に大量のトークンを購入させ、人為的に価格を吊り上げていた。

グォン氏は法廷でこの事実を認め、「私は(価格が)ペグを取り戻した理由について、虚偽で誤解を招く発言をした」「私のしたことは間違っていた。自身の行いを謝罪したい」と述べた。

当初、グォン氏は9つの罪状で起訴され、有罪となれば最大で135年の禁固刑に処される可能性があった。今回、検察側との司法取引に応じたことで、検察は12年以下の懲役を求刑することに合意。ただし、最終的な量刑は判事が決定するため、最大で25年の禁固刑が科される可能性がある。量刑の言い渡しは12月11日に行われる予定だ。

テラショックとは?

テラショックとは、2022年5月に起きた、テラフォーム・ラボが開発した2つの仮想通貨の大暴落事件である。

一つは、常に1ドルの価値を保つように設計された「ステーブルコイン」であるテラUSD。もう一つは、その価格を支える役割を担っていたルナだ。しかし、テラUSDが1ドルの価値を維持できなくなったことをきっかけに、両トークンへの信頼が失墜。わずか数日でその価値がほぼゼロとなり、仮想通貨市場全体を巻き込む大規模な暴落が発生した。

グォン氏は事件後、韓国当局からの逮捕状を逃れて国外に逃亡していたが、最終的にモンテネグロで逮捕され、米国に身柄を引き渡されていた。なお、同氏は米国の刑期を終えた後も、母国である韓国で罪に問われる可能性があるとされている。

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2017年の仮想通貨ブームの頃に興味を持ち、以降Web3分野の記事の執筆をし続けているライター。特にブロックチェーンゲームとNFTに熱中しており、日々新たなプロダクトのリサーチに勤しんでいる。自著『GameFiの教科書』。
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