ナスダック上場の金融企業「SUI Group Holdings(スイ・グループ・ホールディングス)」は3日、同社トレジャリーのSUI(スイ)保有が1億179万5,656 SUI に到達したと発表した。
約2,000万SUI追加購入、長期戦略を加速
同社の発表によれば、7月末以降に約2,000万SUIを追加しており、ネットワークへの長期コミットメントを改めて示した格好だ。
スイ・グループ・ホールディングスは7月末に「SUIを主要準備資産とするトレジャリー戦略」を開始した上で、調達資金の約98%をSUI取得に充当する方針を明らかにしていた。スイ財団はこの私募に投資家として関与しており、同社は「スイ財団と公式な関係を有する唯一の上場企業」であると謳っている。
最新リリースでは、保有総量(約1億枚)のほか、時価総額換算(約3.32億ドル、9月2日時点のSUI価格3.26ドルを前提)、1株当たりSUI(約1.14 SUI)などの目安が示された。また「保有SUIの大半をステーキング中で想定利回りは約2.2%」と説明し、追加取得のための現金約5,800万ドルを手元に残しているとした。
経営体制に関しては、CEOはダグラス・ミカエル・ポリンスキー氏。今回のコメントはCIOのスティーブン・マッキントッシュ氏名義で、「7月末の戦略開始以降、短期間で1億枚超を積み上げた」と述べている。先に同氏は、同社が「スイ財団と公式関係を持つ唯一のSUIトレジャリー」として資本調達を継続し、割引条件のロックドSUIの取得を進める考えを示していた。
なお、同社はかつての「Mill City Ventures III(ミル・シティ・ベンチャーズ・スリー)」から社名・ティッカーを変更しており、SUI特化のトレジャリービークルとしての色合いを強めている。今回の発表でも、この再編の目的を「スケール、透明性、長期価値創造に資する“財団支援型トレジャリー・プラットフォーム”の構築」と位置づけた。
一方で、大量保有がネットワーク分散性に与える影響や、株式希薄化を伴う資金調達の継続といった点は、投資家が注視すべきリスクである。スイは「Mysten Labs(ミステン・ラボ)」が開発を主導するL1で、オブジェクト中心モデルにより高スループットと低手数料を志向するが、企業主体のトレジャリー拡大と分散性のバランスは今後も議論の対象になりそうだ。
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