米ナスダック上場「Mill City Ventures III(ミル・シティ・ベンチャーズ III:MCVT)は25日、社名を「SUI Group Holdings Limited(スイ・グループ・ホールディングス・リミテッド)」に変更し、ナスダックでのティッカーシンボルを「SUIG」に変更すると発表した。変更は26日の市場開始時から有効となる。同社の時価総額は現在約5億ドル。
4.5億ドルのSUIトークン投資戦略を反映
今回のリブランドは、同社が7月に発表したレイヤー1ブロックチェーン「Sui(スイ)」を中心とした財務戦略への転換を反映したもの。同社は7月28日に4億5,000万ドルの私募を発表し、そのうち4億4,100万ドルをSUI財団のネイティブトークン「SUI」の取得に充当する計画を明らかにしていた。
関連:米ミル・シティ・ベンチャーズIII、4.5億ドル調達し「SUIトレジャリー戦略」開始
この戦略転換により、ミル・シティ・ベンチャーズはSUIトークンを主要な財務資産として保有する唯一の公開企業となる。同社は「新たな戦略的方向性」を反映するためのリブランドと説明している。
暗号資産財務戦略で株価4倍上昇
同社の株価は過去1か月で約4倍に急騰し、暗号資産(仮想通貨)財務戦略の採用が投資家から高く評価されている。7月31日に正式にSUI財務戦略を開始して以降、オープンマーケットでの購入や機関投資家向けの独占的取引フローを通じてSUIトークンの取得を進めている。

ノンバンク貸し手として事業を展開していた同社が、ブロックチェーン財務戦略にピボットしたことで、仮想通貨市場での新たなポジションを確立。SUI財団との戦略的パートナーシップにより、Suiブロックチェーンエコシステムの成長を支援する役割も担う。
Suiブロックチェーンへの戦略的コミット
「スイ・グループ・ホールディングス」として、同社はSuiブロックチェーンの長期的な成功にコミットし、エコシステム全体の価値向上を目指す。Suiは高速かつスケーラブルなレイヤー1ブロックチェーンとして、DeFi、ゲーム、NFTなどの分野で注目を集めている。
同社のCEOは「我々の新しい企業アイデンティティは、ブロックチェーン技術の未来への確信を示している」とコメント。機関投資家レベルでの大規模なSUIトークン保有により、暗号資産市場でのユニークなポジションを築いている。
リブランドにより、投資家は同社をSUI特化の投資ビークルとして明確に認識できるようになり、Suiエコシステムの成長に連動した投資機会を提供する。第2四半期決算では投資収益の増加も報告されており、新戦略の効果が早くも現れている。
関連:世界初の規制デジタル資産銀行シグナム、Sui財団と提携でSUIサービス拡大
関連:SEC、SUI現物ETF「21Shares SUI ETF」の上場申請を正式受理