ヴァランティス・ラボ、ハイパーリキッドの主要LST「stHYPE」を買収

ヤマダケイスケ
10 Min Read

分散型取引所(DEX)「Valantis(ヴァランティス)」を展開する「Valantis Labs(ヴァランティス・ラボ)」は19日、Hyperliquid(ハイパーリキッド)上で構築されたリキッドステーキングトークン(LST)である「stHYPE」を買収したことを公式Xで発表した。

DeFiとの統合、ユーザー体験のさらなる向上へ

stHYPEはHyperEVM上のプロトコルで主要なユースケースとして広く統合されているLSTだ。これまでもハイパーリキッドエコシステムでの高い存在感を示しており、今年4月にはTVL(預け入れ総額)が1億ドル(約147億円)を突破したことでも市場の注目を集めた。

ヴァランティスはこのstHYPEを、HyperEVMおよびHyperCoreにおける中核的な流動性資産として再構築する方針を掲げている。今回の買収により、stHYPEは双方のプラットフォーム間で同期的な流動性を持つ初の資産となる。ユーザーはより効率的にstHYPEの交換・利用が可能になるという。

stHYPEは今後、2つのフェーズを通じて開発が進められる予定だ。フェーズ1では、ヴァランティスによるstHYPEの運営統合やセキュリティの強化といった基盤整備に加え、コミュニティプログラムの拡充が予定されている。stHYPEを統合する開発者やプロジェクトが紹介ユーザーからのステーキング報酬の一部を得られる仕組みを導入することで、エコシステム参加者のインセンティブを高める狙いだ。

続くフェーズ2では、stHYPEをより多機能化させた「モジュラーLST」へ進化させることを目指す。まずはstHYPEを「CoreWriter」という技術に対応させることで、複数のステーキングアドレスとの柔軟な連携を可能にするという。これにより、stHYPEは様々なDeFi(分散型金融)プロトコルとの自由な組み合わせが可能となる。

さらに、ヴァランティスの流動性ネットワークを通じ、stHYPE保有者によるハイパーリキッド上のステーキングやレンディングといった複数機能へのシームレスなアクセスも実現する予定だ。stHYPEをハイパーリキッドエコシステムにおける「万能パス」として機能させることで、各種サービスからの効率的な収益獲得だけでなく、個別トークンの準備といったDeFiプロトコル利用時の煩雑さも軽減されると期待されている。

ヴァランティスは公式Xの投稿内で、現時点ではstHYPEのミント(HYPEのステーキング)もしくはAMM(自動マーケットメーカー)への預け入れが可能であることを共有した。stHYPEに関する追加情報に関しては今後数週間以内に発表するとしており、DeFi市場の注目が集まっている。

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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.58円)

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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