米国ナスダック上場企業であり、世界有数のイーサリアム保有企業として知られる「SharpLink Gaming(以下シャープリンク)」は26日、56,533 ETH(約380億円相当)を追加購入したと発表した。これにより、同社のイーサリアム保有総量は797,704 ETHに達し、評価額は約5,367億円にのぼる(8月26日時点の市場価格ベース)。
上場企業2位の保有量を維持
今回の購入価格は1 ETHあたり4,462ドルで、前回の購入発表からイーサリアム保有量は7%増加した。
購入資金の原資は、市場の実勢価格で自社株を売り出すATM(アット・ザ・マーケット・オファリング)によって調達された。発表によれば、8月18日から22日にかけて普通株式の売却を通じて、約3億6,090万ドル(約532億円)の純収益を得た。
同社は、2025年6月に開始したイーサリアム財務戦略の一環としてステーキングを実施しており、その累積報酬は増加を続けている。8月25日時点でのステーキングによる累積報酬は1,799 ETH(約12億円)に達し、イーサリアム保有による受動的な収益確保が進んでいることがうかがえる。
シャープリンクは現在、上場しているイーサリアム・トレジャリー企業17社の中で第2位に位置しており、1位のビットマイン(833,133 ETH)に次ぐ規模となっている。

シャープリンクの共同CEOジョセフ・チャロム氏は、「シャープリンクのイーサリアム・トレジャリー戦略を組織的に実行することは、当社のビジョンの強さとチームのコミットメントを示し続けています」と述べ、さらに「株主の皆様への長期的な価値の構築と、より広範なイーサリアム・エコシステムへの貢献という私たちの重点は揺るぎません」と付け加えた。
ステーキング報酬の積み上げは、単なる資産保有にとどまらず持続的収益モデルを追求する姿勢を示している。上場企業が暗号資産(仮想通貨)を本格的に財務戦略へ取り込む流れを加速させる事例として注目だ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.56円、1 ETH=672,900円)