米証券取引委員会(SEC)と「Ripple Labs Inc.(リップル社)」は7日(現地時間)、互いに対する控訴を共同で取り下げることで合意し、約4年間の法廷闘争に終止符を打った。この歴史的な和解を受け、XRP価格は急騰している。
共同での控訴取り下げ、XRP価格は約8%上昇
両当事者が米第2巡回控訴裁判所に提出した共同書類によると、SECとリップル社は、2023年の地裁判決に対するそれぞれの控訴を自主的に取り下げ、訴訟費用は各当事者が負担することに合意した。
この訴訟は2020年12月、SECが「XRPの販売は未登録の証券販売にあたる」としてリップル社を提訴したことに端を発する。これに対し、2023年7月、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、「取引所を通じたXRPの個人投資家への販売は証券提供にあたらない」とする一方、「機関投資家向けの販売は証券法に違反する」という判断を下していた。
この判決の一部を不服としてSECとリップル社はそれぞれ控訴していたが、今回その両方が取り下げられたことで、暗号資産(仮想通貨)業界全体の注目を集めてきた訴訟は正式に終結した。
リップル社の最高法務責任者であるスチュアート・アルデロティ氏は、自身のXアカウントでこの事実を報告し、「終わりだ…そして、これからはビジネスに戻る」と投稿。長い法廷闘争が終結したことへの安堵感をにじませた。

このニュースが報じられた日本時間8日午前6時頃から、XRP価格は急騰。1XRP=3.1ドル(約457円)前後から一時3.37ドル(約497円)まで8%以上上昇し、記事執筆時点では3.33ドル(約491円)で取引されている。長年にわたりXRP価格の重しとなってきた最大の懸念材料が払拭されたことで、市場はポジティブに反応した形だ。
トランプ政権の発足以降、SECは仮想通貨関連企業への訴訟や捜査を次々と取り下げており、本件もその事例の一つとなった。長年に渡る懸念事項から開放されたXRPの今後に注目したいところだ。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.40円/1XRP=3.33ドル)