ブロックチェーン向けの耐量子暗号の基盤を開発するProject Eleven(プロジェクト・イレブン)は8日、量子コンピューターに強い署名方式を使うブロックチェーンのQuantus(クオンタス)(
QTC)と、機関投資家向けのカストディ(保管)基盤「Strongpoint(ストロングポイント)」で連携する計画を発表した。クオンタスは開発パートナーとして参加し、ストロングポイントでのクオンタスへの対応は2027年第1四半期を目標とする。
プロジェクト・イレブンのストロングポイント、クオンタスの鍵を機関投資家の手続きで管理
プロジェクト・イレブンは、ブロックチェーンが耐量子暗号を採用していく中で、各ネットワークが1つの署名方式や移行の手順、時期にそろう可能性は低いとみる。機関投資家にとっては、ネットワークごとに異なる暗号の標準に対応しながら、同じ水準のセキュリティや管理を保つことが課題になるという。
ストロングポイントは、暗号を柔軟に切り替えられる設計(クリプト・アジリティ)を採る。認証、ポリシー、承認、鍵の管理、監査を共通の管理層で扱い、その下の暗号の方式やネットワークごとの要件は独立して変えられるようにした。
クオンタスはプロトコルの段階で耐量子のセキュリティを備える。連携が実現すれば、機関投資家は自らのハードウェアや承認の手続き、監査の仕組みを通じて、クオンタスの鍵を守り、取引を承認できるようになるという。
両社は、技術面の統合、鍵の管理の手順、取引への対応などで協力する見通しだ。対応が始まれば、機関投資家はクオンタスを他のデジタル資産と同じ管理のもとで扱えるようになるとしている。
プロジェクト・イレブンのアレックス・プルーデンCEOは、新しい暗号の標準を採用するネットワークが増える中で、機関投資家には、そのたびにセキュリティや業務の手続きを作り直さずに済む基盤が必要になると述べた。
クオンタスのクリストファー・スミスCEOは、機関投資家にとって新しい暗号の採用が、すでに頼っている仕組みの置き換えを意味するべきではないとした。
プロジェクト・イレブン、ビットコインやXRPレジャーでも耐量子の取り組み
プロジェクト・イレブンは、ビットコイン、イーサリアム、XRPレジャー、ステーブルコインなどを対象に、耐量子暗号の基盤を開発している。同社のブログによると、主な取り組みは次のとおりである。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| Bitcoin Risq List(ビットコイン・リスク・リスト) | 公開鍵がさらされたビットコインを追跡。執筆時点で約690万BTCが該当するとした |
| ソラナのテストネット | 2025年12月、ソラナ財団と、テストネット上で耐量子の署名の仕組みを実装 |
| XRPレジャー | リップルの耐量子の計画の第2段階を主導。耐量子のカストディ・ウォレットの試作などを担う |
| Yellowpages(イエローページズ) | コインを動かさずに、既存のビットコインのアドレスを耐量子の鍵に結び付ける仕組み。将来の耐量子への移行やフォーク(チェーンの分岐)に備えた、持ち主の記録になるとしている |
ビットコイン・リスク・リストは、7日に研究者のジャスティン・ドレイク氏がバンカーモードを呼びかけた際にも、公開鍵がさらされたビットコインの追跡ツールとして挙げられた。
クオンタスのネイティブトークンQTCは、7日にNEARのアプリ「near.com」で取引が始まっている。
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