ソラナの共同創設者であるアナトリー・ヤコベンコ氏が、ソラナ上で稼働する新しい分散型先物取引所(PerpDEX)、「Percolator」を開発していることが、同氏の公開したGitHubリポジトリから明らかになった。
基本機能の開発は完了し、現在は統合テストの準備段階
ヤコベンコ氏が公開した開発者向けドキュメントによると、Percolatorは取引エンジンを分割する独自のアーキテクチャを全面的に採用している。これは、取引所全体を複数の独立した取引エンジン「Slab」に分割し、それぞれを流動性プロバイダーが運営するという構造だ。
そして、これらのSlabを「Router」と呼ばれるグローバルなプログラムが統括し、ユーザーの証拠金管理やSlab間の注文ルーティングを行う。この設計により、単一の取引所に負荷が集中することを避け、システム全体として高いスケーラビリティと処理能力を実現することを目指しているようだ。
Percolatorは、単に高速なだけでなく、市場の健全性を維持するための仕組みを複数備えている点も特徴だ。ドキュメントには、悪意のある高速取引や市場操作から一般ユーザーを保護するための仕組みについても記載されている。堅牢な取引環境を構築しようとする強い意志の表れと言えるだろう。
なお、プロジェクトはまだ初期段階にあるものの、開発は順調に進んでいるようだ。リポジトリによると、コアとなるデータ構造、リスク計算、注文管理といった基本機能はすでに完成しており、53項目にのぼる単体テスト(ユニットテスト)にも合格している。現在は、より実践的な統合テストのフェーズに進む準備段階にあるという。
ソラナの生みの親であるヤコベンコ氏自らが設計に関わるこのPercolatorが、現在市場を賑わせているハイパーリキッドやAster(アスター)といった既存のPerpDEXに対抗する存在となり得るのか、注目を集めそうだ。
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