RWA取引に特化、ポイント制度でユーザー獲得狙う
現実資産(RWA)取引に対応した分散型取引所(DEX)「Ostium(オスティウム)」が、著しい成長を遂げている。23日、同プラットフォームの累計取引量が40億ドル(約5,710億円)に迫り、預かり資産(TVL)は6,000万ドル(約85億円)を突破したことが明らかとなった。
オスティウムはArbitrum(アービトラム)上に構築されたDEXで、暗号資産(仮想通貨)の永久先物取引のほか、ドル円やユーロドルなどの外国為替、さらに金や原油などのオンチェーン取引を可能にしている。多様な資産へのアクセスと取引の容易さから、DeFi(分散型金融)ユーザー間で着実に認知を拡大してきた。
2025年1月には、829万ドル(約11.8億円)のTVLを記録。基盤となるアービトラムの成長もTVL拡大に大きく影響している。こうした背景からもオスティウムは、アービトラム上で激化するDEX間の競争でも存在感を放っている。
DeFiデータ分析サイト「DeFiLlama(ディファイラマ)」によると、執筆時点での24時間の取引量は約2億7,900万ドル(約398億円)を記録。累計取引量はすでに40億ドルを突破している。日別の取引量を見ると、3月頃より徐々に増加が見られ、4月からは急増。21日には過去最高となる4億1,300万ドル(約589億円)の取引量を突破した。

一方、TVLはアービトラム上のDerivativesカテゴリにおいて、主要DEXであるGMX(ジーエムエックス)に次ぐ第2位にランクイン。マルチチェーン展開を進めるVertex(バーテックス)やGains Network(ゲインズネットワーク)と比較して高水準のTVLを維持している点は、オスティウムの堅調な成長を裏付けている。

オスティウムは3月31日、ユーザー活動を可視化・インセンティブ化する「Ostium Points Program」を開始。プラットフォーム上での取引や友達招待、流動性提供などによってポイントが付与される仕組みとなっている。このプログラムがHyperliquid(ハイパーリキッド)のような大規模なエアドロップにつながる可能性があるとして、多くのアクティブ投資家の関心を集めている。
RWAのオンチェーン化が進む中、オスティウムはその先駆的なプラットフォームとして今後さらなる飛躍を見せる可能性がある。アービトラムを牽引するDEXとして、新たなプロダクト提供やユーザーアクセスの拡大、取引量の増加に伴う今後の成長に期待していきたい。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.76円)