オンランプ、アーチと提携|米国カストディ管理のビットコイン融資開始

ヤマダケイスケ
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最大50%のLTVで柔軟な融資が可能

ビットコイン金融サービスを提供する「Onramp(オンランプ)」は20日、暗号資産(仮想通貨)担保ローンを提供する「Arch(アーチ)」との提携を発表。この提携を通じて、ビットコインを担保とした融資サービスの提供を開始した。

このサービスでは、ビットコインを担保に最大50%のローン対価値(LTV)に相当する米ドルの借り入れが可能となる。融資が承認されると、銀行口座への送金もしくはステーブルコインでの受け取りが可能だ。融資期間は最長2年に設定されており、期間終了後のロールオーバー(延長)も認められている。

リスク管理の面では、LTVが70%を超えた場合にマージンコールが発動し、追加の担保を求められる仕組みになっている。さらに、LTVが80%を超えた場合には、担保の一部が自動的に清算され、LTVが50%に戻るよう調整が行われるという。

このサービスの特徴の一つとして、ビットコイン価格が上昇した場合に、担保価値の増加分に応じて一部担保のリリースが可能となっている。また、追加の担保を提供することなく融資額を増額できる仕組みも備えており、迅速な資金調達が可能だ。

提供された担保は、米国を拠点とするカストディアン「Anchorage(アンカレッジ)」により、独立したアドレスで管理。この仕組みにより、オンランプやアーチによる再担保化は一切行われない。また、担保は破産隔離措置が講じられており、万が一アンカレッジが倒産しても、担保の安全性は確保されている。

このサービスは初期段階では、オンランプが提供する「多機関カストディ(Multi-Institution Custody)」には統合されていない。これは、複数の機関でビットコインを保管し、単一機関への依存リスクを分散する仕組みである。だが、オンランプとアーチは、将来的に多機関カストディを標準化することを視野に入れているという。今後の両社の協力体制や新たなサービス展開に注目していきたい。

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仮想通貨やBCGをメインに執筆活動を行うWebライター。2021年、ビットコインの大幅な値上がりに興味を持ち、仮想通貨の世界に参入。Binance、Bybitをメインに現物取引やステーキングサービスを活用し、資産運用を進めている。
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