ステーブルコイン市場、2024年は時価総額が約24兆円突破で堅調な成長=コインゲッコーレポート

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目次

コインゲッコー、ステーブルコインに関する最新のレポートを公開

仮想通貨データ分析企業「CoinGecko(コインゲッコー)」は10日、最新のステーブルコインに関するレポート「ステーブルコインの現状:2024」を発表した。

我々のステーブルコイン状況レポートが公開された。ステーブルコインは商品や法定通貨などの資産に連動し、価値を安定させることで、現実の資産と仮想通貨をつなぐ役割を果たしている。では、2024年のステーブルコインのパフォーマンスはどうか?ここに注目すべき5つの重要なポイントを紹介する

コインゲッコーのレポートでは、2024年のステーブルコイン市場に関する5つの重要なポイントがまとめられている。

これらのポイントの中から、特に注目すべき3つを以下に速報する。

ステーブルコイン市場規模24兆円突破

法定通貨連動型ステーブルコインTOP10の時価総額内訳(source:CoinGecko)
法定通貨連動型ステーブルコインTOP10の時価総額内訳(source:CoinGecko)
  • 法定通貨連動ステーブルコインの時価総額は2020年から2022年3月にかけて劇的に増加し、約7500億円から約27.3兆円へ3,121.7%の成長を遂げた。しかしその後、テラとそのUSTステーブルコインの破綻後に急落した。
  • 2023年11月に上昇に転じ、2024年8月までに約17.9兆円から約24.2兆円へ35.4%増加した。
  • 上位3つの米ドルステーブルコイン(USDT、USDC、DAI)が市場全体の94%を占める。
  • USDTが70.3%のシェアで市場をリードし、USDCは20.5%で減少傾向にある。
  • 米ドル以外の通貨にペッグされたステーブルコインは市場のわずか0.2%を占めるのみ。

ステーブルコインは市場が低迷する時期には存在感が高まる

仮想通貨時価総額とステーブルコインのシェア(2020年1月1日〜2024年8月1日)(source:CoinGecko)
仮想通貨時価総額とステーブルコインのシェア(2020年1月1日〜2024年8月1日)(source:CoinGecko)
  • 2024年8月1日時点で、ステーブルコインは暗号通貨市場全体の8.2%を占める。
  • 2020年初頭、ステーブルコインのシェアは約2%だったが、DeFiブームにより6%まで上昇。
  • テラのUSTステーブルコイン急成長により、2021年11月から2022年5月にかけてシェアが4.8%から15.6%に拡大。
  • USTの崩壊後、一時的に下落したものの、その後の弱気相場で投資家が安全資産を求めたため18.4%まで急上昇。
  •  市場が不安定な時期には、投資家がリスク回避のためにステーブルコインに資金を移す傾向があり、その結果としてステーブルコインの割合が増加する。

市場が不安定な時期には、法定通貨とのペッグの維持が難しいという課題がある

TOP10ステーブルコインの価格とドルペッグ推移(2022年5月1日〜2024年8月1日)(source:CoinGecko)
TOP10ステーブルコインの価格とドルペッグ推移(2022年5月1日〜2024年8月1日)(source:CoinGecko)
  • 過去にステーブルコインはペッグ維持に苦労したが、USDT、USDC、DAIなどの主要ステーブルコインは現在、1ドルペッグをより適切に維持できている。
  • 2023年3月の銀行危機など、市場が不安定な時期にはペッグが外れる傾向がある。
  • 新興ステーブルコイン、特に部分的にアルゴリズムで価格を調整するUSDD、DAI、FRAXなどは、より大きな価格変動を示す。
  • これらの新興ステーブルコインは、ペッグ維持のために市場の裁定取引に依存する傾向がある。
  • Iron FinanceやBasis Cashのように、ペッグ維持に失敗した事例も多く存在する。

ステーブルコイン市場の急成長は、機関投資家の参入拡大、ビットコイン現物ETF承認、インフレ対策需要が背景にある。今後はCBDCとの競合や技術革新による進化が予想され、特にDeFiとの統合やクロスボーダー決済の効率化が期待される。従来の金融システムとの融合や規制整備が進む中、ステーブルコインの役割は重要性を増すと見られている。

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参照ソースCoinGecko 公式X/CoinGecko State of Stablecoins: 2024
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この記事を書いた人

中井 純、工学博士
AIは30年以上、web3(仮想通貨)は3年以上フォロー。web3x生成AIには早くから注目し、ビジネスチャンスを研究。東大応用物理学科卒業後、ソニー研究所にて、CD、AIなどの研究開発に従事。MITの電子工学博士取得後、外資系社長を歴任。最近はハイテク・スタートアップの資金調達支援を手がけるかたわら、自らweb3x生成AIのライターとして活躍。技術的なことも分かりやすく、ユーザー目線で解説することが得意です。著書2冊。

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